ルビー


ルビーの名前は、ラテン単語で「赤」を意味する『ruber』から由来しています。

 

ルビーの採鉱に関する最も古い記録は2,500年以上前まで遡り、「インド洋の宝石箱」スリランカで、"rathu kata(ラトゥ・カタ)" と呼ばれています。紀元前480年頃、“燃える石炭”の意味をもつ古代ローマでは「カルプンクルス」、ギリシャでは「アクスクラックス」と呼ばれていました。

 

インドでは、サンスクリット語の古書の中で「風邪と肝臓の治療に効果がある」と書かれ、粉にしたものを秘薬として用いたといわれます。サンスクリット語では、「貴重な石の王」という意味の『ratnaraj(ラトナラジュ)』と呼ばれていました。

 

ルビーは世界中でわずかな鉱山からしか採掘されません。ニューヨークのサザビーズで1998年に売れた16カラットのルビーには、363万ドルの値がつきました。

 

ダイヤモンドの次に硬いルビーの価値は色です。カッティングと大きさも重要で(2カラット以上で上質は珍しい)、その次に透明度です。ルビーは、何百万年かけて地中深くで形成されますので、多くの小さな不純物(インクルージョン、内包物)が含まれますが、欠点でなく、天然である証明です。

ルビー

情熱・仁愛・威厳

結婚40周年記念日を『紅玉婚』といい、仁愛の証として、情熱のルビーを贈ります。

 

結婚52周年記念日を『星条紅玉婚』といい、星の光を放つスター・ルビーを永遠の愛の証として贈ります。               

 

わずか1%程度の微量のクロムを含むコランダムがルビーになります。0.1%以下はピンクサファイアと鑑別されます。5%以上はエメリーと呼ばれる灰色の工業用の研磨素材となり、宝石の価値は全くありません。

 

さらに、クロムは珪酸分の少ない塩基性や超塩基性の火成岩に含まれますが、コランダムは珪酸分の多い酸性岩質で生成するので、コランダムに適度なクロムが含まれる事自体が稀なのです。

 

コランダムに見られるアステリズム(星彩)は、「シルク」と呼ばれる極微のルチルインクルージョンからの反射の効果で表面に2条以上の条線が見えます。

スタールビー

ルビー産出国の歴史

ミャンマーは世界でも最高品質のルビー「ピジョン・ブラッド」が産出されました。ミャンマー産ルビーはミャンマー中北部のモゴク渓谷産と、ミャンマー北東部のモン・シュー産があります。モン・シューはモゴクから220キロ南東の、ナム・パン川とサルウィーン川の間にあります。

 

モゴクでのルビー採鉱が6世紀まで遡るのに対して、モン・シューでルビーが発見されたのは1991年のことでした。ルビー・ラッシュが始まり、町の人口はおよそ8千人からピーク時で3万人以上と、一夜にして4倍にも膨れあがりました。1993年以降徐々に減っていきましたが、高温トリートメントの出現以来、モン・シューはミャンマー産ルビーのますます重要な産地となっています。

 

ミャンマーでのルビーの採掘は、当初沖積鉱床だけに限られていましたが、いまでは周辺の山地の大理石の母岩も採掘するようになりました。数百万年もの風化を経て、ルビーは母岩から離れ、山から谷底へ運ばれ、河川の底に沈んでいきました。こうした古代からの川に堆積した砂利から大部分が回収されています。

 

スリランカの産地は明るい色調で赤みが少し薄く、透明度が高い色合いのが特徴です。ルビーとしての評価は低く、ピンクサファイアと鑑定されることもあります。

 

2004年にマダガスカル産のルビーが新しい鉱床から採鉱されています。インド、ケニア、モザンビーク、スリランカ、タンザニア、タジキスタン、ベトナム、タイからも産出されています。

 

タイ産は、やや黒みを帯びた透明度の少ない赤色が特徴で上質なものは『ビーフ・ブラッド』と呼ばれています。

ピンクゴールドルビーリング

含侵処理/ニューヒートのルビーが出回る

<非加熱/ノーヒート>

原石の段階で色・質・透明度を持つ天然ものです。

<加熱/ヒート>

エンハンスメントは、宝石に高熱を加え、本来持つ美しさを引き出す一般的な処理方法です。

<含浸処理/ニューヒート>

加熱時に『鉛ガラス』を宝石に染み込ませるため「含浸処理」や「含浸ルビー」とも呼びます。表面のキズやクラックに染み込ませ固まる事で、透明度と耐久性を改善する目的で施されます。含浸ルビーは超音波洗浄機の使用には注意が必要です。

 

天然石ですが、購入者に含浸処理を隠したり、希少と偽って高値で販売することが問題となり、2009年7月1日以降はこの新しい特殊な加熱処理されたルビーは、鉱物名『天然コランダム+鉛ガラス』宝石名『天然ルビー+鉛ガラス』コメント『鉛ガラスの含浸処理が行われています。表示重量には鉛ガラスの含浸物質も含まれます』

日本ジュエリー協会(JJA)と宝石鑑別団体協議会(AGL) に加盟する鑑別団体の鑑別書の記載が変更になりました。

ルビーの鑑定書

日本伝統技法緋銅の告知
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