結婚指輪の内側に入れる宝石として代表的なのが誕生石です。
そもそも、誕生石の由来とは…
ある一説では、旧約聖書の「エジプト記」に出てくるイスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石、そして「ヨハネの黙示録」中に理想郷として描かれた聖都の12 の城門の土台を飾る宝石に由来するもので、これらはイスラエルの12の部族あるいは12の使徒の象徴とされています。
また、新約聖書の「ヨハネ黙示録」では、最後の審判の後に現れる新しい世界の都「新エルサレム」の城壁の土台石は12個の宝石で飾られていたと記載されています。
宝石には歴史や、色や見た目などから人々の言い伝えが宝石言葉となっています。その月に生まれた人々の守護石に相応しい宝石を、想いを込めて定めたことは間違いありません。これらが現在の誕生石の基礎となったと言われています。
その後、1912年8月にアメリカのカンサス・シティーで開催された米国宝石組合大会で統一されました。宝石の普及を目的として制定された誕生石は、やがてそれを元に各国の習慣や宝石の産出状況、民族ごとの石の嗜好や宗教上の理由、宝石商の販売戦略などが加わり、各国ごとの誕生石が選定されていきました。
日本の誕生石が発表されたのは1958年です。全国宝石卸商協同組合はアメリカのものを基準にしていますが、国内の事情を反映させて、若干の修正が加えられています。例えば、3月には桃の節句があることから桃色が美しいサンゴが追加されました。新緑が美しい5月には、古来から日本人に好まれている緑色のヒスイ(翡翠)が加わっています。
自分の誕生石の性質、意味を知り、自分を癒し、励ましてくれるお守りとして身につけることは大切です。「生まれた月の宝石を身につけると幸せになれる」相手の誕生石を贈る人の想いは、贈られた人にとってもいつまでも思い出となり、二人の絆を深めることになるでしょう。
ジュエリー業界が宝石を売るために考えたのが誕生石だという意見もあります。ただ、まったくのこじつけではないというのも事実です。
しかし、結婚指輪の内側に入れる宝石には向き不向きがあります。例えば、トルコ石、オパールに多いカボションカットは、ドーム型をした表面でツルッとした形のため、石留めの際に、具合が悪いのです。
それぞれの宝石に込められた宝石言葉と自分の想いを重ねて、世界にひとつだけ純粋無垢の手作り指輪は、本来の意味である「生まれた月の宝石を身につけると幸せになれる」を叶えるものと言えます。