緋銅イヤーカフ


2023年、新しいアイテム『緋銅イヤーカフ』の作品が誕生しました。

これまでもご要望はありましたが、【イヤーカフは落ちる・イヤーカフを落とした】という話や自分が取り扱ったことのないことから、その度にお断りをしておりました。

 

転機は、2022年11月に開催されたデザインフェスタに初出展したことで、それまでの先入観や固定概念に対して再考したことです。

『まずは制作してみて、そこで判断しよう』という結論となり、前向きにイヤーカフの作品制作に取り組み始めました。

 

まず最初にイヤーカフのデザインについて調べました。

自分が想像していた以上に、個人や企業が参入していて驚きました。

 

作品のテーマは、『落とさないイヤーカフを作ること』です。

色々デザインがある中から、定番のリングタイプで制作することを決めました。

 

まずは、銅板の素材を選定しながら試作&試着をします。

案の定、カタチにすることで課題が明確になり、課題をどうクリアするかが焦点となりました。

試作の数は増えていきましたが、イヤーカフの構造を理解することができました。

 

さらに、その翌月開催されたマクハリハンドメイドフェスタに出展した際、イヤーカフを制作販売している知り合いの作家さんに会いに行きました。

開場前の忙しい準備時間でしたが、親切丁寧にご教授して頂いたことに心から感謝しております。

プロフェッショナルの方のお話は、とても参考になり作品コンセプトの指針にもなりました。

 

その後、再び試作に取り組み、遂に納得できる緋銅イヤーカフの作品ができました。

最終判断は、年末年始の期間を利用して、実際に自分で着用して日常生活を含め利用しました。

 

初めてのイヤーカフは、着けてるのを忘れるくらいのフィット感がありました。

あの先入観と固定概念にこだわり過ぎていた事を反省しました。

 

今回の検証対象者は自分だけなので、まずは男性に限定することにしました。

ただ、女性の方からのご要望もあったので、試着品は用意しようと決めました。

 

2023年、緋銅イヤーカフの作品制作を決定しました。

最初はイヤーカフのデザイン展開はせずに、1型に絞り実践で経験値を積み上げていきます。

素材も有限となるので、数量を制限しながら制作することにしました。

 

これまでお断りした皆様、期待を裏切り本当すみませんでした。

そして、お待ちいただいた皆様、大変長らくお待たせ致しました!

対面販売限定

イヤーカフの難しい点として、耳の形は個人差があるため、合う・合わないがはっきりしています。

また、緋銅イヤーカフは、酸化被膜を利用しているので、過度な調整は望ましくありません。

 

つまり、緋銅イヤーカフを販売する際には、ピッタリ合うか、微調整して合うか、判断が必要となります。

 テーマ『落とさないイヤーカフ』を考えると、当面は出展時の対面販売に限定するのが望ましいと判断しました。

 

そして、2023年1月ハンドメイドインジャパンフェスにて初披露&販売開始しました。 

デビューを終えての感想

・過去にイヤーカフを落とした経験のある方には、積極的に勧めるべきではないと思いました。

・『今イヤーカフは人気なんですか?』という意見もあり、ご要望は多いですとお答えしました。

・試着品を2種類用意して、両方試してもらうことで、合う・合わないの目安になりました。

・イヤーカフのつけ方は、皆さん方法が若干異なり、特に正しい方法は決まっていないように感じました。

・試着をして頂く度に、耳の形状や作品の理解度が増え、経験値が高まりました。

 

作品について

・男性限定としましたが、女性でも適応する方がいました。

・男性用でしたが、中にはサイズが小さくて適応できませんでした。

 

作品は、過度な調整をしないことを前提にしているので、厚みによる強度を高めました。

作品の重さと幅によるメリットも今回の対面販売の中で理解することができました。

 

また、イヤーカフのU字は、手巻きなのでひとつひとつ微妙に異なります。

一番最初の作品では、歪さが目立ち、2回目以降は修正をして形状を整ったU字になるよう意識して制作しました。

 

ものづくりでは、形状の統一は作品の質(外見美)に繋がりますので大切なことです。

しかし、耳に合う(フィット感)という点では、実際には異なるというのがわかりました。

 

U字の形状よりも、耳の形に合う形状を作ることを優先することに決めました。

今回の出展に向けて、作品制作は3回行っていて、毎回若干形状が異なりました。

それが功を奏したのか、現段階でその中から理想の形状が明確になりました。

 

出展時には、自分も試着用にした緋銅イヤーカフを着用しました。

興味のある方も多く、その反響をみて挑戦して良かったと思っています。

 

ここからが始まりなので、今後の動向にも注目して頂ければ幸いです。

また、実際に会場でご覧になったり、試着していただければ嬉しいです。

緋銅イヤーカフ2023年新作

第2弾決定のお知らせ

昨年、緋銅イヤーカフの制作をお約束し、完成を楽しみにお待ちくださった男性がいます。

今回の作品では、耳の形状に合わず(サイズが小さいため)、残念ながらお断りする結果となりました。

その後も、別の男性にも同じ理由でお断りすることがありました。

 

あの時の空気感といったら、言葉には表せません。

もう一度期待に応えたい。

 

現行よりも内径の大きいサイズを第2弾として制作することを決定しました。

まだスタートしたばかりで、対面販売の実績も積み上げたいと思っています。

 

目標としては、遅くとも秋頃の販売を検討しています。

第2弾作品完成のお知らせ

自分でも正直驚いていますが、男性向けの緋銅イヤーカフが完成しました。

 

販売が前倒しになった理由

・たった一度ではありますが、2日間の対面販売を経験して、イヤーカフへの理解が深まったこと。

・第1弾作品のデザインを応用したこと。

・応用して制作できるアイデアが浮かんだこと。

・前回お断りした時の、あの空気感を繰り返し味わいたくないし、期待に応えたい。

最後が一番の決め手だと思いますが、最初の試作で本番を決めました。

 

デメリット

・自分の耳にはサイズが大きく、実際に試着ができないこと。

・現行可能な最大のサイズで制作したため、逆に男性でもつけられない。

 

検証ができない以上、対面販売の中で感触を掴んでいくしかありません。

もし誰もつけられない大きなサイズであれば、それより小さいサイズで制作するという判断になります。

このサイズでも小さいとなると、これ以上のサイズでの制作は難しいです。

 

さらに、今回はいくつか異なる形状にしました。

前回の経験により、耳の形は人によって異なるので、イヤーカフの形状も同じである必要はありません。

同様に、試着品も用意しておりますので、お試しできます。

 

第2弾は男性向けですが、耳の大きい方、スポーツ耳の方など、普通のイヤーカフではつけられない方をイメージしています。

最初の作品のサイズが「S」であれば、第2弾は「L」となります。

 

2月12日arteVarie91の出展時より販売を致します。

緋銅イヤーカフ第2弾

第3弾決定のお知らせ

耳の形は、あらためて男性も女性もそれぞれに個性があると感じます。

 

何が良くて、何が足りないのか。

ほんの短時間で、「落ちる・落ちない」をどう判断すればいいのか。

イヤーカフを着けたことのある方の対応方法。

初めてという方の対応方法は?

 

着けたことのある方は、そのやり方に違いがあります。

基本的には、ピアリングという開閉式のアイテムがあります。

つまり、開閉を前提としたデザインなので、U字のイヤーカフは、最初の調整は必要だとしても、開閉の脱着には疑問があります。

 

着け方としては、耳を少し引っ張った状態でイヤーカフを耳の…。

言葉では説明しにくいので、ここでは割愛します。

 

少しつづですが、合わないのは分かりますが、「合う」という感覚が明確になってきました。

合うとは、「これなら落ちる心配はなさそう」ということです。

 

また、こうしたら密着度が良くなるという調整方法も明確になってきました。

その調整ができるのか、できないのかでも、判断がつくようになります。

 

第2弾の作品が完成した流れ。

そして、想定していた通り中間サイズの「M」の必要性を実感しました。

 

第2弾の制作過程を修正する事で「M」は制作が可能です。

制作にあたり課題となるのは、SとLの中間のMのサイズの算出方法です。

 

Sサイズの場合は、数値が決まっています。

Lサイズの場合は、成形の際に縮小(目減り)分が発生する事を前提に最大値を算出しています。

 

ただ、S・M・Lという3つのサイズ構成は、興味を持ってくださった方への対応の面では、かなり改善されると考えています。

第3弾の作品は「M」で制作が決定しました。

 

今後の展開

・イヤーカフの着け方は、個人によって異なるので、着け方のガイドラインを作成したい。

・試着品を試して頂いて、作品を選んで頂く流れとします。

・ネットショップへの出品は検討しておらず、出展時などの対面販売に限定します。

・S、M、Lは、灯〜AKARI〜で幅と厚みは統一のデザインにします。

 

第3弾の作品は、来月3月の出展時にお披露目販売できるように、制作を進行していきます。

灯~AKARI~緋銅イヤーカフ

ついに、Mサイズも完成して、S・M・Lの3サイズが揃いました。

ここまで振り返ってみれば、短期間に集中してイヤーカフの制作に取り組みました。

その甲斐あって、当面はこの作品構成で出展時に対面販売を行っていきます。 

 

サイズ展開のメリット

・男女問わず、イヤーカフが好きな方におすすめができる。

 ・合う、合わないの課題はあるが、3サイズにより合う確率が高くなった。

・点数が増えたことで、出展時の演出にもボリューム感がでる。

 

みなさまには、「落とさないイヤーカフ」の精神で対応していきます。

新アイテム、緋銅イヤーカフを楽しみにしてお待ちいただければ幸いです。

 

【追記】

価格について、ご案内を致します。2023年5月より価格改定を行い、これまでのサイズごとの価格を見直しました。

作品の仕上がりや形状は異なりますが、一律の価格に設定します。

S・M・L:13,200円(税込)

 

この理由は、下記の対面販売時の流れにおいて、自分の中で違和感を感じたからです。

①興味

②試着

③サイズ&価格

④デザイン選定

⑤調整

 

<価格を一律にした場合>

①興味&価格

②試着

③サイズ

④デザイン選定

⑤調整 

 

違いは、『作り手』の立場から『選ぶ側』の立場に流れを変えたことです。

耳の形に関わらず、皆さまが緋銅イヤーカフを身につけて、楽しんで頂きたいと望んでいます。

これまで、購入してくださった皆さまには大変申し訳ございませんが、ご理解の程、宜しくお願い致します。

 

<仕様>

幅8mm~10mm

厚み2mm

2023年8月~価格改定のお知らせ~

これまで皆さまから好評を頂き、喜んでくださる姿は、作り手としてとても嬉しいです。

本当に皆さまのご要望があったからこそ、誕生したアイテムなので心より感謝しております。

 

そして、今では自分自身も緋銅イヤーカフのファンであり、益々制作意欲が旺盛になっております。

今後も、さらに充実した作品構成で出展に向けて準備していきたいと考えております。

 

さて、本題の価格改定の理由について。

これまで「Sサイズ」に限り、リングの形状から制作しておりました。

素材には限りがある状況の中で、有難いことに全て使い切りました。

 

そのため、「S・M・L」の全サイズを、銅板の状態から制作することになりました。

もともと、原型の鋳造が出来ないため、ひとつひとつ切り出しから始まり、仕上げまで一貫して手作りの工程となります。

 

銅板からの制作では、加工の工程数および制作時間が増え、これまで以上に負担が増えました。

また、耳に合う形状では前後のあるデザインとなり、こだわるほど火入れの難易度が高くなることで、失敗が増えたこと。

※失敗は技術不足である自己の問題ですが…。

 

これまでの皆さまからのご意見や感想に甘えさせて頂き、若干ですが値上げをさせて頂ければ幸いです。 

もちろん、作品に対する火入れの仕上がりについては、これまで同様厳選します。

 

今後は、Sサイズの手彫り模様も種類が増えます。

・唐草

・月桂樹

・花

・波

など、全サイズでデザインを選べる楽しさを提供したいと思っております。

 

なお、当面は価格改定については据置するお約束を致します。

ご理解の程、何卒宜しくお願い致します。