結婚指輪の歩き方

取扱方法

ファッションリングを指につける時は、料理や洗い物、掃除など手を使う家事は行わないのが一般的です。その理由は、食品や洗剤などの酸やアルカリなどの影響や、様々な衝撃でジュエリーや金属にキズがつく可能性が高くなるためです。また、指輪の内側に裏抜き(凹み)があると、そこに汚れなどが付着しますので、衛生的にも良くないのです。ジュエリーの美しい輝きを失わずに金属部分にキズを付けないように、家事を行うときには指輪をはずし、家事が済んだらつけるというのが、正しい扱い方です。

しかし、結婚後は家庭のある女性にとって、家事は日常茶飯事です。指輪にキズをつけたくないからと、家事をするたびに、毎日着脱を繰り返していては、大切な指輪を失くしてしまうというリスクもあります。しかし、結婚指輪は、配偶者との永遠の愛を誓ったという重要な意味をもった指輪です。キズはつけたくないけれど、紛失はもっと避けたいとその行為自体が本人の負担になることもあります。


最後は気持ち次第

当たり前ですが、ジュエリーは金属で出来ています。金属を成形しています。つまり、どんなジュエリーでも、キズがつくことは当たり前ですし、場合によっては変形することは当たり前なのです。金属が柔らかい、硬いを強調するものもありますが、全くキズがつかないことも変形しないという完璧なものは存在しません。

ジュエリーを作る工程には、金属素材に圧をかけて圧縮する鍛造製法もあります。確かに、硬いですので変形することを嫌う人にはおすすめです。また、変質や変色を嫌う人にはプラチナをおすすめします。

鋳造製法でも、様々な工夫をして変形などが起きないように考えてデザインを描きます。

「愛着をもって指輪を身につける」

人は歳を取ります。人生は毎日の積み重ねです。いつまでも変わらないものを指輪に託すこともよしとしますが、変わるものをよしとする考えもありだと思います。たとえ、毎日の家事で結婚指輪にキズなどがついたとしても、愛し合っている2人の歩んできた歴史の証として解釈し、家事の際にも指輪をつけるのも良いという価値観です。

3年後、5年後、10年後とキズのある結婚指輪を見て、お互いに色々あったけど、ここまでしっかり結婚生活が続いて良かったね。と思える、そんな指輪を理想とするならふたりがずっと身につけることが必要なのです。どちらかが、外したままではその想いを共有することはできません。

つまり、指輪を選ぶ理由の優先順位は、素材、製法、デザインではなく、ふたりがずっと一緒に身につけたいと思える指輪である事が大切なのです。

大事に扱うとは、モノ(物質的)の維持はもちろんですが、ふたりの想い(意識)次第なのです。ジュエリーには、3年後、5年後、10年後でも元通りにキレイにすることができるという特性があります。毎日身につけていて、無傷という事はそう無いですから、過剰に気にしすぎる事も良くないことだと思いますし、キズも愛の証と思えるような、そんな二人の意識を共通して持てるようにしておくと良いのでは無いでしょうか。


ジュエリーの生涯サポート

キズがついても毎日身につけてください。家事などのときに指輪をはめたまま、外すどちらでも構いません。でも、失くさないでください。数年後の記念日にふたりの結婚指輪を磨いてください。そして、結婚当時の想いを思い出してください。

手作り指輪は1から作ります。もちろん変形にも配慮してデザインは一緒に考えています。それでも、変形してしまったら、その原因を一緒に考えましょう。

ジュエリーを作るということは、どんなことがあっても最後まで責任を持つことと、その責任に見合う確実な技術がなければなりません。だから、安心してあなたの好きなように身につけてください。