託された想い

手作りに携わり5年目を迎えます。まだまだ、未熟ですがこれまで多くの世界にたったひとつの物語がありました。少しずつ、ピュアリングプランナーの視点からこれまでの体験をありのままに綴りたいと思います。最初の物語は、「託された想い」です。

サムシング・オールド

イギリスやアメリカでは、祖先から受け継いだものを、花嫁が身につける伝統があります。祖母や母から受け継いだ婚約指輪を身につけることを、サムシング・オールドと呼びます。昔は、古いものや祖先から伝わってきたものは、花嫁の家系が代々続いてきたことの象徴として、またその富の証として取り入れる、という考えがあったそうです。そして、それをこれから長く続く結婚生活のお守りにすることが慣わしでした。現代では、サムシング・オールドの意味合いはお守りです。

リフォーム、リメイク

ただ、昔の婚約指輪のデザインと現代の婚約指輪のでデザインはかなり変わっていますので、そのまま使うには…。これは譲る人も貰う人も同じような考えをもっています。そのため、婚約指輪をリフォームする方も多いです。古いデザインを新しくする、ということでは、サムシング・フォーの中の「サムシング・オールド」そして「サムシング・ニュー」を同時に満たすことにもなります。祖母の形見として祖父から譲り受けり、母から譲り受けた方もいます。ある方は、独身のうちに相手へ贈る宝石をペンダントで自分が身につけて、その宝石を使って婚約指輪を作る方もいました。さらに、自分の親族ではなく、相手側の親族からダイヤモンドを譲り受けたという素敵なエピソードもありました。

新品の婚約指輪を買う以上に、譲り受けた婚約指輪の想い入れは強いはずですし、より大切にしたいという気持ちになります。リフォーム、リメイクをしようとすれば、まずはそれを扱っている宝飾店を探すと思います。これまでは、そうでした。ただ、リフォーム、リメイクは指輪の素材が何であれ、使用することはできません。使用する工程には、ダイヤモンドを外した後に、再び、その金属を精錬する必要があるのです。そのため、その費用が金額にかかることになります。金額面で言えば、新たに貴金属を買った方が安上がりになりますし、もともとの指輪は下取りとして現金化ができるので、その金額をリフォーム・リメイクに掛かる費用から相殺することができるのです。

想い入れが強く、大切にしたいから手作りする

譲り受けた婚約指輪には、たくさんのエピソードが詰まっています。だからこそ、自分で手作りすることは素晴らしいことだと思います。手作りによって、譲られた方も作った本人そして受け取った彼女さま、さらにおふたりの周りの方にもその手作り婚約指輪はよい影響を与えます。また、子供へと受け継がれるのはダイヤモンドだけではなく、手作り婚約指輪そのものになるかもしれません。婚約指輪を手作りすることをお話しする時によく話をするのですが、「語れる」ってなかなかできるものではありません。それも、誰もが共感できるものは数多くないと思います。リンプラでは、石の大小、石留めの種類関係なく外すことができます。また、不要な貴金属の買取も行っています。ダイヤモンドを持ち込みされて、制作される方もいます。理念は感動と喜びを増やすことです。これからリフォーム・リメイクを考える方は、自分で手作りすることも選択肢として検討して頂ければ幸いです。一生の宝物となる大切な婚約指輪。どんな選択肢を選んだとしても良い思い出にはなります。

ダイヤモンドのルースケース

写真は、婚約指輪を手作りされた方がお持ちになったダイヤモンドの入っていたルースケースです。完成した婚約指輪を見て、手作りされたことを大変喜ばれていました。リンプラでは想いを込めることを大切にしております。なぜなら、目的が大事だからです。目的とは婚約指輪であれば、「永遠の誓い」です。その過程に制作があり、手段にリフォーム、リメイク、手作りがあります。これからも新しい世界にたったひとつの婚約指輪の物語のお手伝いができることを心から楽しみにしております。