夫婦円満の秘訣

3組に1組が離婚する時代

2013年の人口動態統計(厚生労働省)を見ると、66万3000組が結婚、23万1000組が離婚し、結婚するカップルに対して離婚件数は3割強という結果があります。さらに最も離婚する率が高いのは結婚5年未満のカップルで、離婚全体の約半数を占めています。これは日本だけではなく、全世界共通して結婚4年目で離婚に至るカップルが最も多いという報告があります。以前も綴りましたがパートナーシップの構築は全世界共通していると言っても過言ではありません。離婚や夫婦問題は当人のみならず子供、親、長寿社会では祖父母の世代まで影響、関わりのある問題なのです。


結婚観、夫婦観は時代や世相を敏感に反映しているとも言えます。2013年の日本人の平均寿命は男性は80.21歳、女性は86.61歳。男女ともに過去最高を更新しています。日本は世界有数の長生きの国です。昨今、晩婚化と言われていますが、平均初婚年齢が男性30.8歳、女性29.2歳で結婚したとしても、50年以上を夫婦で一緒に過ごすことになります。この間には様々な問題を生み出すことはごく自然な出来事なのです。最初の数年以降は、お互い環境の違う人生を歩んできたのですから、上手く行かないのはむしろ当たり前であると心の余裕が必要ではないでしょうか。心の余裕、豊かさが「幸福」に繋がります。


「夫婦関係改善の手立て」による博報堂の調査結果をご紹介します。実施は2009年。

Q相手に改善して欲しいこと

【男性】

  1. 一緒に旅行する…27.3%
  2. 相手を責めないようにする…25.4%
  3. 相手の事情・状況も考える…23.5%

【女性】

  1. 相手の事情・状況も考える…34.6%
  2. もっと相手を思いやる…30.0%
  3. できるだけ会話をする…22.3%

結婚期間がおおよそ20年以上の夫婦の離婚を「熟年離婚」と言います。人口動態統計では2010年は4万84組、離婚件数全体の15.9%を占めています。

この他にも、妊娠や出産が離婚の引き金となる「産後クライシス」と呼ばれるものがあります。これは働く女性が増えたことで、出産を機に体調や生活スタイル、キャリア、家庭での普段が大きく変化します。慣れない育児のストレスは大きいです。ある調査では出産前は7割の妻が夫に愛情を感じていますが、出産後は3割に激減した結果となりました。子供ができた事に夫がどれくらい妻の状況・心境に思いをはせ、一緒に子育てできるかは、その先の夫婦の行く末を左右するといっても過言ではありません。夫婦ふたりで乗り越える1つ目の山であるという認識をお互いに共有する必要があります。


40代〜50代前半の男性の心理状態から起こる中年の危機「ミッドライフクライシス」と呼ばれています。社会的にも認められる一方、体力的な衰えを感じることで心理状態が不安定になる傾向にあります。この期間は特に浮気が離婚問題のきっかけとなる事も多いそうです。

最後は、定年をきっかけに起こる「熟年離婚」です。この場合には、妻側から離婚を切り出すのが圧倒的に多いそうです。これまでの我慢や不満、生活環境の変化によるストレスが大きな原因です。


人生はライフスタイルによってステージが変わり、また役割も変化します。大切な事は環境に適応できるかどうか、です。そのために、いかなる時でもお互いに真正面から向き合う時間を共有していたかどうかが大事なのです。危機管理は聞き管理です。相手の考えや意見を聞くことで、もしも同意ができないことがあったとしても、理解でき、認め合えるだけでもお互いの関係は再構築され円満に導く手段となります。人は進化成長するものです。過去は過去でしかありません。日常の中での何気ないことの積み重ねである以上、今を考えるべきです。勝手に自分の中で相手をわかったつもりになって満足するのは問題を放置しているのと同じです。


健康で家事のできる男性はお互いにとってプラスなことです。ただ、最近ではイクメンや主夫に対して妻側から駄目出しする「家事ハラスメント」があるとか。家事については手取り足取り一緒にやるくらいの暖かい見守る姿勢で接して欲しいものです。これからふたりで共に生きて行くのですかね。