エメラルド


エメラルドは、古代から非常に貴重で、世界4大宝石として世界中で多くの人から愛されてきた宝石です。


エメラルドの語源はペルシア語から転じてギリシャ語の「smaragdus(スマラグドス)」に由来します。


エメラルドは日本名で「翠玉(すいぎょく)」または「緑玉(りょくぎょく)」といい、鉱物的には「ベリル」という種類です。


主な産地はコロンビア、ブラジル、ジンバブエ、ザンビア、タンザニアなど。スペイン・ペルー・コロンビアは国石になっています。

鉱物名はベリル

幸運・幸福・愛・健康

愛好家のクレオパトラは、エメラルド鉱山を所有しながら、エメラルドに囲まれた生活を送っていたそうです。奇麗で神秘的な緑色の目元にはエメラルドをアイシャドーとして使用したとも言われています。古代エジプト以来、エメラルドは「未来を見通す理知の目」とされ、常に目に関係する伝承の多い宝石です。

 

また、エメラルドを舌の下に含むと、未来を垣間見ることができ、真実を明らかにし、悪の呪文から身を守ることができるという言い伝えが残っています。 コレラやマラリアのような病気を治癒するとも信じられていました。

 

紀元1世紀のNatural History(博物誌)では、「この緑色以上に緑色のものはない」と記され、初期の宝石職人は、「エメラルドを見ること以上に目の回復に良い方法はない。その柔らかなグリーンが疲労や倦怠感を和らげ取り除いてくれるのだ。」と記述しました。

現代でもなお、緑はストレスや目の疲れを癒す色として知られています。

未来を見通す理知の目

鮮やかな緑色を意味するエメラルドグリーン

インカ帝国では、ダチョウの卵ほどもあるエメラルドを女神ウミナの化身として崇拝していたそうです。純潔の守り石として結婚指輪に使われました。

 

上質のエメラルドを産出していたインカ帝国から、スペイン人が国外へ持ち出し、ヨーロッパでも広まりました。

 

キリストの最後の晩餐に使われた聖杯もエメラルドで出来ていたといわれる説もありますが、聖杯は今も行方不明。この聖杯は大天使と堕天使の戦いの勝敗が決まった瞬間、天上より地上へ落ちたとされるエメラルドをくり貫いて作ったと言い伝えられています。

 

エメラルドは健康祈願の他、夫婦円満のお守りとして結婚55周年記念の宝石でもあります。お互いに貞操・純粋を守ってきた二人を祝福する日として、「いつまでも幸せな夫婦でありたい」という想いを込めて贈ってください。

結婚55周年記念日にはエメラルド

長く愛用するには必ずメンテナンスが必要です

昔から〝エメラルドと人間に傷のないものはない〟といわれ、天然エメラルドには「石れい」と呼ばれる内包物や、細かい傷があるのが一般的です。


オイル樹脂に浸して化学処理を行い、内部のキズを目立たなくしており、色は良くなり、割れにも強くなります。あまりに無傷透明は、人工石である可能性があります。


硬度7.5ですが、特定の方向にショックを与えると、スパッと割れる難点があります。


エメラルドカットは、エメラルドの輝き、美しさを引き出しながら、衝撃で壊れるのを防ぐ優れたカット方法です。

エメラルドカットされた指輪