彼女への思いを手作りを通じて伝えたかったため、世界で一つだけの婚約指輪を渡したかったため。
真っすぐではなく、曲線で手をつないでいるイメージで作りました。
正面から見て、上にかかる部分が「私」、下にかかる部分が「彼女」。
リードし、引っぱっていく自分の思いを重ねました。
非常にうれしかったです。作成した日のことを思い出しました。自分の気持ちを伝えられればと思います。
また、ご協力していただいたみなさん、ありがとうございました。
婚約指輪に込めれた想いにはどんなものがあるのか。また、そのデザインはどのように決まっているのか、を綴りたいと思います。
これまでどんな婚約指輪が手作りされたのか、デザインのこだわりは何なのかを知ることです。そこで、これまで婚約指輪を手作りされたリンプラの宝物、物語集を開いてみたいと思います。
さらに、ここから語れるデザインの原点を綴りたいと思います。デザインの原点を探求する中で、やはりジュエリーの歴史を知らなければ語れません。3~4世紀頃のイギリスでは99%以上の純金のフェデ・リングが出土しています。このフェデリング(fede ring)とは、手と手が握り合う(握手)図柄になっています。デザインは本当に手のカタチをしています。イタリア語でフェデは「忠実」を意味します。かたく握り合った手の形が象徴的です。中には、真ん中に留めている宝石を抑えるようなデザインもあります。中世でも再ブームが起こり、12世紀のイギリスで用いられるようになりました。約600年にわたって大衆の支持を得たフェデリング。また、一般大衆の支持を得た理由には、初期のキリスト教会が、握り合う手を婚姻の誓いとして結婚指輪と認めたのです。
握り合うふたりの手、堅く握手しているそのデザインは『忠実』というメッセージがこめられています。
これが手作りになるとどうなるかというと、左右のリングの部分がお互いの手になるのです。ちょっと太い方が男性、細い方が女性です。
真ん中にダイヤモンドや誕生石を包み込むようにしたデザインには、これから手と手を堅く結んで支え合っていこうというメッセージになります。
デザインとして左右対称に作るのではなく、“あえて”左右非対称に作るのです。
さらに、脇石に誕生石やダイヤモンドを留めたり、内側に入れたり、すべてメッセージがあります。
1つ1つに込められるメッセージ。
点と点が繫がった1つのメッセージになった婚約指輪。
これを自分で手作りするのですから、普段は伝えることが苦手な男性でも、しっかりと相手の方に伝えることができます。
まさに、手作りが織りなせる技術です。