価格改定の流れ
現在、主に緋銅のペンダント作品で取り扱っているネックレスについて、価格改定をすることを決めました。
価格の改定の理由には、SV(シルバー)925の40㎝小豆ネックレスが、昨年と比較して地金価格が上がったことに加え、酸化防止を目的としたロジウムメッキの加工代が上がった為です。
日頃よりご愛顧いただいております皆様には、大変なご迷惑をおかけいたしますが、どうかご理解いただきますとともに、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
なお、ここからは価格改定を決めるまでの流れを綴りたいと思います。
価格維持の検討
・素材の見直し
結論:これまで通りSV925を選択する
・ネックレスデザインの見直し
結論:これまで通りのデザインを選択する
・メッキ方法の見直し
結論:仕上がりを優先する。
なお、昨年のコーティング剤の導入検証を行った際に、個人向けのフッ素化合物液で実験しました。
この製品は、シルバーの酸化防止と誰でも簡単に塗布ができ、しかも安全性があるそうです。
試作の結果を簡単に説明しますと、小豆と小豆の連結部分に膜が厚くなりやすく、硬化するとしなやかさを損なうことと、ディップと筆を使っても綺麗に全体に塗布することが簡単ではないことなど、個人レベルでは許容範囲だとしても販売となればこのクオリティは無理という結果でした。
そもそも、銀白色のメッキには、ロジウムメッキ、ニッケルメッキ、パラジウムメッキ、銀メッキ、白金メッキ、クロムメッキ、亜鉛メッキなどなどたくさんあります。ジュエリーの場合は、一般的にはロジウムメッキが使われています。
このロジウム価格が上昇しているため、メッキ加工代が上がっているそうです。
また、ロジウムメッキを行う際には、下地メッキとしてニッケルメッキやパラジウムメッキを付けてからロジウムメッキを付けます。
現在は、アレルギーを起こしやすい金属のニッケルは使わない、ニッケルフリーを選択しています。
表面的な違いがわからないからこそ、販売をする立場として、安価を求めるのではなく、安全・安心のメリットを優先したいひとつだと考えます。
・ネックレスにメッキの有無の見直し
結論:生地とメッキありの選択制のオプションも検討するも今回は見送り。
・取引先の見直し
結論:見出し「優先順位」で回答。
など、現行品の価格を維持するため、色々と検討を行いました。
しかし、一時的な対策のためではなく、この先も見通した中長期的な対策を考える時期だと改めました。
優先順位
メインは緋銅ですが、それに付属するものには優先順位「こだわるところ」・「そこそここだわる」・「こだわらない」を決めています。
ネックレスについては、緋銅のペンダント作品には必須アイテムになります。
導入時には、製品の品質や製造会社の評判なども重視して総合的に選択しています。
つまり、「こだわるところ」です。
同じ素材で継続するのであれば、メッキの方法や取引先を変えるのは、価格的なメリットよりも総合的なデメリットになる可能性が高いです。
これは取引先だけではなく、材料価格の上昇はどこも同じであり、全体の流れである以上、価格面での抜け道を模索するのは危険な行為です。
きっと緋銅の作品を評価する方たちも、その選択は望んでいないと思います。
対象作品
今回は、ペンダントネックレスの作品が価格改定の対象となります。
しかし、作品は個々に対して価格を設定している為、一律にすることは難しいと考えました。
そこで、これまで同様に個々に対して、再評価(改定と改定幅・現状据置・作品から外す)を行いながらの価格改定を実施します。
【改定の内容】
・消費税8%維持 → 消費税10%に改定
・漢字「一文字」シリーズ(7.000) → ¥8.800
・5cmアジャスター(550) → ¥990
・50cm(1.650) → ¥2.530
・ベビーリング(9.900) → ¥11.000
・ベビーリングQZ(12.000) → ¥13.200
・煌~KIRA~(13.000) → ¥13.200
この他、ペンダントの大きさ(灯〜AKARI〜カメの作品など)に合わせて50cmのネックレスをつけいている作品の一部を改定しました。
また、価格変動幅についても、個々の作品を確認しながら行いました。
改定対象点数:約60点
作品除外:3点
据置:約110点
※2021年4月16日BASEネットショップでの集計となります。

今後の見通し
価格改定としながらも、作品の大多数は据置としました。
また、上げ幅も1.100円(税込)以下に抑えております。
しかしながら、此度の改定により、緋銅の作品をお迎えして頂く皆様のご負担が大きくなってしまいますことを心よりお詫び致します。
なお、据置作品については、今後の新作価格とのバランスを考えながら、必要に応じて価格改定を行います。
最後に、今後とも緋銅の魅力を伝えられる作品作りのための技術と技法の向上と、大切な人や記念日を祝う「贈り物」としての品格づくりを大事にしていきたいと思いますので、何卒、活動への応援、ご支援の程、よろしくお願い致します。
情報共有希望します
見出し「価格維持の検討」で挙げた項目について、個人では情報源は限られ、選択肢は限定されます。
このような時節柄、活発な開拓活動も控えているため、情報収集も望めません。
これを機に、情報提供といいますか、同じ悩みを抱えている人や、問題を解決した人など、情報共有してくださる方を希望しております。