緋銅の硼砂水溶液について

硼(ほう)砂水溶液

緋銅は、綺麗に磨いた純銅を限界まで熱して、いいタイミングで【硼砂水溶液】の中で急冷することで、銅本来の特殊な緋色の皮膜を定着させる技法です。

今回は、緋銅に挑戦するときには、とても重要となる「ほう砂水溶液」について綴りたいと思います。

 

その前に、ブログ公開の理由について。

 

2018年、TV番組内で紹介された後、多くの方が緋銅に興味を持っていただきました。

その後も直接、作品を通じて緋銅の魅力を伝えたいと地道にイベント出展活動を行ってきました。

2020年、さらに精力的に緋銅の魅力を全国に伝えようと計画を進めてきました。

ところが、コロナの影響で状況は一変、白紙の状態となり現在も行動を自粛しています。

 

しかし、コロナの影響で作品の売れ行き不振の状況が続いています。

これだけ個人消費が冷え込む要因があり、外出自粛の状況では、嗜好品のアクセサリーの購入はさらに後になります。

 

このまま中・長期戦となれば、活動を維持できるか、正直わかりません。

ここで緋銅が途絶え消滅する危機感から、緋銅を残す方法を考えました。

緋銅に興味を持って挑戦すれば、この硼砂水溶液の役割を理解する必要があります。

 

緋銅の技法を継承することも、RINPLA(緋銅作家飯田)ができる今の役目だと感じています。 

ホウ砂とは

ホウ砂は、鉱物(ホウ酸塩鉱物)の一種です。

四ホウ酸ナトリウムの結晶で、化学式 Na2B4O7・10H2O。

 

性質としては、水に溶け、水溶液はアルカリ性を示す。

用途としては、ガラスの原料、釉(うわぐすり)・ろうづけ助剤・洗剤などとして用いる。

 

子供の頃に遊んだ記憶のあるスライム、あのスライムを作る原料としても使用されています。 

ホウ砂は、ドラックストアなどで取り扱っていて、簡単に入手ができます。

酸化皮膜について

RINPLAの緋銅作品の緋色は、釉薬(うわぐすり)や塗料といった発色材料(コーティング)を使用していない自然な発色です。

釉薬は、やきものに色を付けたり、光沢や味わいを出すために使用します。

また、仕上げに蜜蝋ワックス、研磨剤など一切使用しておりません。

 

作品の表面に定着しているのは、銅の酸化皮膜だけです。

銅の酸化皮膜は、加える温度によっても色合いが違います。

あ、話が脱線しそうなので、ここで止めて本題に戻ります。

 

「なぜ、作品はこんなにも美しいのか?」

その理由のひとつが、硼砂水溶液を使っているからなのです。

ホウ砂水溶液

緋銅は断片的なことは調べるとわかるのですが、詳細については全くわかりませんでした。

ただ、熱した後はホウ砂水溶液で急冷させるという手順だけで行っていました。

 

ホウ砂水溶液は、「硼砂」と「水」を混ぜ合わせて作ります。

水の量は?硼砂はどのくらい使うの?

溶かさないのか、溶かすのか?

水にもこだわった方がいいのか?

水溶液の温度は?

容器は?

ホウ砂水溶液はどのくらいの期間使用できるのか?

結局、人によっても答えが違うので、ひとつひとつ実験して検証していきました。

 

その結果、割合はどれが正しいのか?

緋銅体験では、毎回決まった割合の硼砂水溶液を作ります。

しかし、答えとしては、「決まった割合はない」という結論です。

 

つまり、重要なのは割合ではないのです。

本当に重要なのは、硼砂水溶液の役割を理解することです。

 

「魔法の水」

着水させた銅が一瞬で緋銅に変わることから、そう呼ぶ方もいました。

 

もう一度綴りますが、RINPLAの緋銅作品は、仕上げに蜜蝋ワックス、研磨剤など一切使用しておりません。

お解りでしょうか?

これらの方法とホウ砂水溶液の役割は同じなのです。

役割について

最後にYouTubeにアップしている動画をご紹介します。

 

「灯~AKARI~ウミガメ」が作品になるまでの制作の流れを撮影しました。

最後の火入れ作業の場面は、硼砂水溶液の中で緋銅になる瞬間を捉えています。

「ジュ…、ボコ、ボコボコッ…ジュパッ!!」

 

これが硼砂水溶液の役割です。

 

硼砂水溶液から作品を取り出した後は、手前に見えるボールの溜めている水の中に入れます。

作品を水の中から取り出して、水気をタオルで拭きとったら終了です。

 

作品の仕上がり状態は、この時までわかりません。

もし、酸化皮膜が綺麗に定着していないのであれば、硼砂水溶液が原因かもしれません。

今は記録することはしていませんが、色々と工夫してみてください。

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

ぜひ、この後の動画もご覧いただければ幸いです。

 

※消音設定で撮影したため、音はありません。

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