制作の心「共同作業」

共同作業


結婚する前に、ふたりで何かを作るという経験はそんなに多くはないようです。そのため、ふたりにとっての最初の共同作業が結婚指輪となることも多いのです。そこで、結婚指輪をふたりで手作りするメリットについて、綴りたいと思います。

一緒に手作りするメリット

指輪創りを通じて、ふたりの心の距離は自然と縮まり、絆が深まります。ふたりの結婚指輪のデザインを決めるにあたり、どちらかがバシッと仕切って相手に「このデザインでいいよね」と決めるカップルはいません。まずは、デザインを考えるにあたり、事例を参考にしていただき、自分たちの候補をいくつか出してもらいます。

 

「自分たちなら、どんなデザインがいいかな?」作品集やデザインカタログ、サンプルのリングを基に「どっちが好き?」「こんなのはどう?」「毎日つけるよね?」「素材のこだわりはある?」などと言いながら、お互いが身につけたいと思える結婚指輪のデザインを考えます。そして、それがふたりで手作りする理由に変わっていきます。

 

もし、ふたりの気持ちが向き合わない場合、どちらかがそこまで結婚指輪にこだわりがなかったりします。また、自分たちの手作りのイメージとリンプラのやり方が合わないということになります。打ち合わせの目的は、これからの過程が楽しみと感じることと、お互いが身につけたいと思える結婚指輪を、自分たちが手作りして創り出すことができることを知ってもらうことです。

デザイン画

楽しめるかどうか

いざ、結婚指輪を選ぼうとすると、これまでは意識しなかった分、情報量が多い現代では大変な作業です。比較検討している間にだんだん考え方も変わりますし、新しい知識を取り入れる程難しく考えてしまうものです。そこから選び抜いた結婚指輪だからその方の満足度も大きいと思っています。ただ、それだけのエネルギーを費やすのなら、ふたりで手作りすることはそれほど難しいことではなく、もっと言えば、そのエネルギーを手作りに向けて欲しいと思っています。

 

ふたりの手作りをする時間は、親密な一体感が生まれます。結婚指輪の制作を終えた日に、珍しくお酒を買ってふたりで祝杯した方達の話はとても素敵だなと思いました。さらに、結婚式の手作りの品も同様です。結婚指輪の手作りがとても楽しかったので、今度は、両親や参列者の方に喜んで欲しいと、自分たちで手作りすることを決めたそうです。

結婚指輪をふたりで手作りする共同作業

器用・不器用は正直関係ない

結婚指輪をふたりで手作り

作業工程では、必ずお互いに得意、不得意があります。そこをお互いが支え合いながら、ひとつひとつ工程を進めることが大切なのです。結婚式は、分業作業が多いので、意外とふたりの一体感は少ないのです。

 

だからこそ、結婚指輪は共同作業で達成感を味わってもらいたいと思います。自分の結婚指輪は自分で作るために制作時間を設定しているのではありません。ふたりのペースで一緒にできる所まで作り上げて欲しいから制作時間は設定していないのです。

 

ふたりでやり遂げたという達成感を目指して欲しいのです。後々も、ふたりであの手作りは楽しかったねと、結婚指輪を眺めながら、一緒に作業した時間も大切な思い出として、笑って語ってくれたら最高ですね。