立て爪の指輪
4本の立て爪が特徴の婚約指輪。
腕の内側には、0.30の刻印があり、ダイヤモンドの大きさを表しています。
Ptを表す表記の刻印に歴史を感じます。
かなり長い間、タンスの中で休眠状態だったようで、ダイヤモンドも輝きを失っていました。
その場でクリーニングをすると、もともと綺麗なダイヤモンドだったようで、すぐに輝きが戻りました。
立て爪のセッティングは、ダイヤモンドを美しく見せる素敵なデザインだと思います。
その反面、高さのある爪は、日常生活で身につけることに支障をきたしたり、昔流行ったデザインというイメージもあるようです。
「きっかけがあれば、再び指輪を身につけることができる。」
このきっかけを自分に任せていただけることは、本当に嬉しいですし、同時に責任を感じます。
リフォームの方法には、色々あります。
基本は、“継り”を大切にしたいと思っています。
O様の婚約指輪は、石座の部分をリフォームすることになりました。
指輪はそのまま使用しますが、サイズが合わなくなっていたので、サイズ直しをしました。
6本爪の花びらをイメージしたシャトンです。
とても素敵な婚約指輪が完成しました。
O様にも、とても気に入って頂き、その場からさっそく身につけてお帰りになりました。
これから毎日、身につけて楽しんでくださると思います。
「(リフォームは)大変でした?」
O様からの質問されたのですが、そのときはどう答えていいのか…言葉が見つかりませんでした。
お預かりからお渡しまでの期間、喜んで頂きたいし、ここに任せて良かったと思ってもらいたい。
その一心しか考えていません。
加工では、何が起こるかわかりません。
ただ、問題が起こった時に対応できるか、できないかは職人の技量だと思います。
また、可能な限り起こりそうな問題を想定しながら、見極め、依頼を受けることは、自分の技量だと思っています。
間違いないことは、何一つ、簡単な作業などはないということです。
ひとつひとつ丁寧に扱うのは当然の話ですが、見えない、見えにくいところ、気づかないところに、大切なことがあります。
自分たちの想いが新たに宿るということを、作り手は忘れてはいけないと思います。
ジュエリーは、本来永く受け継がれる価値のあるものです。
どんなアイテムであっても、きっかけがあれば、再び身につけることができる。
その一役を担えたら、本当に嬉しい限りです。
O様の感想
ダイヤモンドが美しく、キラキラ円く可愛く見えて、6個の爪がイキイキと支え囲んだ良い!品の良いデザイン!
爪の美しさなど、デザイナーの良さが現れた素敵な指輪になりました!