聖地巡礼の旅【2018年3月備忘録】

3つの聖地


3月22日(木)~27日(火)初めて臨時休業をしました。この6日間の行動の一部をブログに備忘録として綴りたいと思います。タイトルの巡礼は、日常的な生活空間を一時的に離れて、宗教の聖地や聖域に参詣し、聖なるものにより接近しようとする宗教なイメージがありますが、自分は無宗教です。そもそも、個人的には宗派とか集団とか組織とか区切ることがあまり好きではないし、パワースポットや御朱印収集もあまり興味はありません。それよりもむしろ、祖先崇拝と自然崇拝を合わせた神道に共感をしています。なので、タイトルは神仏霊場巡拝の旅のほうが適しているかもしれません。

・高野山

・熊野三山

・伊勢神宮

いずれも一度も行ったことのない場所を選びました。

高野山内で巡った場所

高野山内で巡った場所は、大門・お助け地蔵・霊宝館・大師教会・金剛峰寺・根本大塔・金堂・金剛三昧院・刈萱堂・奥之院弘法大師御廟・燈籠堂・頌徳殿です。移動は徒歩とバスで、2往復くらいして高野山内を散策しました。

南海電鉄高野山・世界遺産きっぷ

今回は、橋本駅から高野山へ移動する手段を選びました。現在の電車は運休していて、代行バス・代行タクシーで運行しています。この時に駅員の方から「高野山・世界遺産きっぷ」を教えて頂きました。この切符は、南海電鉄の往復乗車券・南海りんかいバス高野山内フリー乗車券(2日間有効)・金剛峰寺・根本大塔・金堂・霊宝館・おみやげ各割引券がついています。朝6時の始発は代行タクシーのようで、メインは代行バスでの運行となっています。今回、山内路線電車やケーブルに乗車できませんでしたが、貴重な体験となりました。高野山内を効率よく巡りたい人には、この高野山・世界遺産きっぷはおすすめです。

 

個人的に残念だったのが、駅窓口にいた年配の駅員さんの対応はちょっと冷たく感じた。もし、初めて利用する場合には、若い駅員さんに頼りましょう。高野山・世界遺産きっぷのことを案内してくださったり、購入した片道切符の払い戻しや新しい切符の購入までとても親切に教えてくれました。

高野山での唱え言葉

奥の院の頌徳殿(しょうとくでん)では、1日に数回、和尚(わじょう)様の説法があります。説法が終わった後に個人的に「唱え言葉」について教えて頂きましたのでシェアします。真言宗は、宗祖弘法大師空海を帰依するという意味で 「南無大師遍照金剛」(なむだいしへんじょうこんごう) とお唱えします。大師とは弘法大師空海の事を指し、遍照金剛とは空海が唐に渡った際、仏教の修法を教えて下さった師である恵果和尚から頂いた号であり、金剛=ダイアモンドの様な明るさで周辺を照らすような人物と言う意味があります。

また、光明真言の「オンアボキャベイロジャノウマカボタラマニハンドマシンバラハラバリタヤウン」とお唱えしても良いそうです。

 

浄土宗・浄土真宗は 「南無阿弥陀仏」(なむあみだぶつ) と唱えます。 阿弥陀様という仏様に帰依すると、生前どんなに悪いことをしていても死後極楽浄土にたどり着けると言った意味。

日蓮宗は 「南無妙法蓮華経」(なむみょうほうれんげきょう) と唱えます。 妙法蓮華経という経本を読み唱えることによって功徳を得られると言った意味。

それぞれに共通している最初の南無とは、帰依するとか敬う(うやまう)といった意味があります。

高野山大師教会

授戒堂では、年間を通じて1日7回授戒が行われています。授戒とは、仏さまの示された戒めの教え(戒)を阿闍梨(あじゃり)さまから直接授かり法話を頂く儀式です。ここで授かる十箇条の戒めを「菩薩十善戒」と呼びます。この戒めをすべての人々が心がければ、素晴らしい社会の実現に大きく近づくといった「仏の心の在り方」を説く「戒」の教えです。

 

「してはいけないこと」は「律」であり、「自らのこころが本来的に持っている自発的な働き」は「戒」です。密教では我々のこころの本質的な部分に、他者の生命を奪うよりも、他者のいのちを生かしたほうが我々自身が心地良い、嬉しい、という「こころ」が備わっていると見ます。その本質的な「自らのこころ」、言い換えれば自分の中にある「仏と同質の部分(ほとけごころ)」です。そういうものが自分の中に、また多くの人々の中に本来備わっていることに気がつく。気がついて自覚して、その自分の中の本当の声を大切にする。そういう在り方を説いているのが「戒」の教えです。法話を聞いて「ありがたいな」と感じる一時の安らぎを得られても、根本的な解決にはなりません。お大師さまは「み仏の戒めを大切にすることによって、人の体は潤いあるものになる。それはあたかも諸天の飲み物といわれる甘露を飲むことによって、身にまとわりついた病が除かれるようなものである」とお諭しくださっています。大切なことは、知ることで満足せずに、知って実践することです。今回、阿闍梨さまから「菩薩戒牒」を頂いてきましたので、ここでシェアしたいと思います。

 

不殺生(ふせっしょう)

「生きとし生けるものを殺さない」。すべての生けるものはみな同じ命を持ち、同じ命を皆が分け合っています。生命をより良く生かす教えです。一方でわたしたちは日々、多くの生きものの命を戴かなければ生きていけない存在です。その事実をしっかり見つめなさい。

 

不偸盗(ふちゅうとう)

「盗んではいけない」。本質的には、奪って誰かを悲しませるより、むしろ与えて喜んで貰った方が、我々の心もまた満ち足りるのです。また、「もの」だけではなく、それぞれの持ち味、長所などの徳分も含め、奪ったり奪われたりしてはいけない。

 

不邪淫(ふじゃいん)

「倫理を失った関係を持ってはいけない」。後先を考えない淫らな行為に走る男女の間柄で「こころ」を見失えば、それは単なる肉欲だけの関係に堕することになります。相手への気づかいや思いやりのない関係は、最終的にお互いを不幸にします。

 

不妄語(ふもうご)

「嘘をついてはいけない」。嘘をついて人を悲しませるより、暖かな言葉を人に伝えたほうが自分のこころもずっと気持ちが良い、ということを本質的に我々は知っています。世の中の色々なところで嘘、偽りがはびこっています。嘘は次々と次の嘘を呼び、嘘は積み重なっていくものです。一つの嘘で信用は崩れ去り、取り戻すには大変な時間と努力が必要となることもあります。 以上の四つは「淫・盗・殺・妄」という一括りにされ、ことさら重要な位置におかれています。

 

不綺語(ふきご)

「お世辞など、無益なことを言わない」。本質に反して見た目だけ飾り立てた言葉では、本当のこころの繋がりは得られません。ことばを飾れば飾るほど、自分の真意からは遠く外れ、まごころも相手に伝わりませんし、そのような不誠実な言葉は、実際のところ自らも相手も同じく、おとしめるものとなります。

 

不悪口(ふあっく)

「悪罵しない」。日本語はとても美しい言葉なのですが、相手を不快にさせる言葉を遣えば、瞬く間にいさかいが生じます。逆に優しい言葉を遣えば、周りを和ませてくれます。自らのこころに確かにある、ほとけごころの声に耳を澄ませば、本当に自分が相手に伝えたい言葉が、そのような不快な言葉だけなのかお分かりになるのでは無いでしょうか。

 

不両舌(ふりょうぜつ)

「二枚舌を使わない」。一方に都合の良いことを云い、またもう一方にもいい顔をして食い違うことばかり平気で言えば、いつしか信用も失います。場合によっては相手にも損害を与えかねません。顔色をうかがってその場を取り繕うのでは無く、本当のこころから出る言葉、「おもいやりのある言葉」を話そうと心がけるべきです。

 

不慳貪(ふけんどん)

「むさぼらない」。物質社会に生きるわたしたちは、生活を便利に、快適にしてくれる「物」によって豊かさを享受しています。しかし、逆にいえば物が溢れ、物に執着し、そういった物無しには豊かさを実感できないともいえるのではないでしょうか。幸せの価値を金銭で測り「お金さえあれば幸せに暮らせる」は勘違いであることを知るべきです。

 

不瞋恚(ふしんに)

「怒らない」。怒りはどこからくるのか。悪いのは本当に相手だけなのか。一時の怒りに我を忘れると、取り返しのつかない事件を起こしかねません。怒るより怒らない方がこころ穏やかに幸福なのは誰にでも分ることです。しかし時に人は怒りに自らを見失い、本当のこころの声、優しいほとけごころの声を忘れてしまいがちです。本当に大切なものを失う前に、自分の心の深いところにあるおだやかさを思い出して欲しいと思います。

 

不邪見(ふじゃけん)

「間違ったものの見方」。常に自分は偉く正しいけれど、「周りの奴は馬鹿だ」と思っている人がいます。そして悪いことは全て「馬鹿な周囲」のせいになっているわけですから、恨みだけは人一倍です。自分自身が自分を信じる余りに全て周囲のひとのせいにしてしうことなく、落ち着いてものごとを正しく見極める目を持ちなさい。

 

参考サイト:高野山真言宗総本山金剛峯寺

高野山奥之院ナイトツアー

一の橋案内所にて、「高野山奥之院ナイトツアー」のチラシを見て参加することにしました。19:00恵光院に集合~20:30頃奥の院現地解散のプランです。高野山在住の“金剛峯寺境内案内人有資格者”でもある僧侶がガイドをしてくれます。橋本を始発で移動して、高野山駅から奥の院へ直行して参拝、日中にも参拝、そして、夜の参拝と3回とも違う雰囲気を体験しました。ツアーでの内容は、お大師様の話・真言密教の話・墓碑の説明・奥の院の不思議な伝説・お坊さんの生活・高野山の歴史などについて聞くことができます。また、弘法大師・空海が今でも瞑想を続けていると伝えられている御廟の前で般若心経を唱えることができました。これは申し込んだ時には知らないことだったので、ツアーに参加したことで目的の一つが達成でき、とても良い思い出となりました。

 

参加者は、約3分の1が日本人(男性は自分だけ)で、大半以上が外国人観光客でした。また、日中高野山内を観光していても、外国人比率が非常に高く、僧侶の方から案内所、おみやげ屋の方からバスの運転手まで、どこでも英語で対応しているので、日本の聖地が世界遺産によって変化した姿を垣間見ることができたのも、良い体験でした。

高野参詣道

高野参詣道地図

JR和歌山線から高野山への最寄駅は何処なのか、事前にネット検索した時にはわからず、利便性の良さそうな橋本駅を選びました。現地に行くとこのような詳しい情報が入手することができます。この地図には、高野山に歩いて行くためのコースが記載されています。

ルート1概要:約19km(約8時間)

ルート2概要:約15km(約6.5時間)

ルート3概要:約7.6km(約2.5時間)

ルート4概要:約20km(約7時間)

ルート5概要:約10km(約3.5時間)

紀伊田辺駅途中下車

橋本駅から和歌山駅まで行き、紀勢本線で次の目的地である那智駅に向かいます。和歌山駅から紀伊田辺駅行に乗車。14時過ぎに到着したのですが、次の電車の出発時刻は16:50です。紀伊田辺駅は、熊野古道の中辺路の入口の場所でもあり、駅のすぐ横に田辺市観光センターに立ち寄り、今回歩くルートの熊野古道マップを入手することができました。

熊野三山を巡礼する旅

熊野古道マップ

熊野三山を巡礼します。三山とは熊野本宮本社・熊野那智大社・熊野速玉大社です。熊野参詣道(熊野古道)には、いくつかのルートがあります。

中辺路:田辺から本宮に向かう中世のメインルート

大辺路:田辺から那智浜の宮間を海岸沿いに廻る道

小辺路:高野山から本宮間を直線的に結ぶ山間の道

 

今回は、紀伊田辺駅から那智駅までの大辺路を電車で移動します。那智駅からは、熊野那智大社・那智山青岸渡寺・那智大滝を経由して、小口を抜け、熊野本宮大社まで行きます。そこから熊野交通バスで熊野速玉大社へ行き、熊野三山の巡礼を終える計画を立てました。

那智駅から熊野那智大社

那智駅から那智川沿いに辿り、国道と熊野古道の面影を感じる道を歩きます。最初の目的地は熊野那智大社で歩行距離は7.4kmです。熊野古道の両側には民家が並んでいるので、町を歩く感じでした。このコースでは大門坂の夫婦杉から杉林に囲まれた石段を登るのですが、熊野古道を感じることができます。途中に杖立が設置してあり、杖を借りることができます。次に向かったのは、那智大滝のある飛瀧神社。それから、那智山青岸渡寺・熊野那智大社・三重塔を巡りました。

熊野那智大社大雲取越から熊野本宮大社

参拝の後は、いよいよ今回のメインでもある大雲取越~小口・小雲取越~熊野那智本宮大社を歩きます。大雲取越~小口の歩行距離は14.5kmです。ちなみに那智駅~熊野那智大社の所要時間は6時間でした。ここからは林道から山道へ入っていきますので、熊野古道を感じながら歩くことができます。最初の難関は舟見峠までの登り坂です。大雲地蔵尊の近くに大きな建物の休憩所があり、ゆっくりすることができます。その地蔵茶屋跡から先の道は土砂災害で通行止めになっていて、迂回ルートを進みます。通常より40分位余計に時間が掛かりましたが、古道と比べとても歩きやすい登山道でした。石倉峠、越前峠と越えていきます。越前峠からは「胴切板」と呼ばれる石畳の急な下り坂を延々と下っていきます。登りよりも下りの方が膝への負担が大きく、途中から左膝が痛くなり、杖に支えなれながら進みました。小口に到着した時刻14時20分。所要時間は8時間でした。

 

時間については、左膝を痛めたことのほかに、最初の方で要所に捨てられたゴミを見つけたことをきっかけに、ゴミ拾いをしながら歩くことを決めました。しかし、山登りは不慣れなこともあり、袋に溜まっていくゴミの存在が歩行の妨げになりました。また、片手に杖を持っていたので、片手は空けておきたいがために、ゴミ袋をバックに括り付けていたので、ゴミ拾いをする度に、立ち止まって作業していたので時間が掛かりました。そのため、正直ゴミ拾いを始めたことに対して複雑な気分にもなりました。途中ゴミを見つけても見ぬふりを…。でも、結局は引き返し、最後までゴミ拾いはやり遂げました。

 

いよいよ、小雲取越~熊野那智本宮大社です。歩行距離は13.0km。所要時間予想は7時間。しかし、当初は日が落ちる前に熊野那智本宮大社に到着するイメージでした。日が落ちると熊野古道は真っ暗闇になるからです。懐中電灯を持っていても、不安を感じます。山歩きでは、少しでも不安があれば安易に判断できません。そこで、小口自然の家で宿泊しようとしたらその日は休み。最終的に、熊野那智本宮大社は諦め、小口から新宮駅行きの最終バスに乗り、権現前バス停で降りて熊野速玉大社に向かいました。到着した時は閉まっていたのですが、たまたま宮司さんに話しかけ、翌朝の開門時間を訪ねたところ、ご行為で参拝させて頂くことができました。自分ひとりのために、照明をつけて頂き何とも有り難い貴重な思い出となりました。

闘鶏神社

途中下車した田辺市の街散策した時に、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」となっている鬪雞神社に興味を持ち、参拝してきました。鬪雞神社は、壇ノ浦合戦で源氏を勝利に導いた熊野水軍の伝説が今に伝わる神社です。鬪雞神社の名の由来は、平家物語壇ノ浦合戦の故事によるもので、源氏と平氏の双方より熊野水軍の援軍を要請された武蔵坊弁慶の父であると伝えられる熊野別当湛増(たんぞう)が、どちらに味方をするかの神意を確認するため、神社本殿の前で赤を平氏、白を源氏に見立てた紅白7羽の鶏を闘わせたと言い伝えられています。境内の一角にはその様子を再現した湛増と弁慶像があります。 その理由から勝負の神様としても御利益があるともいわれています。

 

ここからは旅を終えて、この備忘録を綴っている時に知ったことです。闘鶏神社の御祭神の中には、熊野三山(熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社)も勧請(かんじょう)されていたのです。勧請とは、神仏の分身・分霊を他の地に移して祭ることを意味します。かつて熊野三山へ御参詣が困難な人々はここに参拝することで三山参詣に代えたと三山の別宮的存在で熊野信仰の一翼を負っていたそうです。また、社殿は6棟。向かって左から西御殿、本殿、上御殿、中御殿、下御殿、八百萬殿。拝殿は本殿の前にあり、社殿の配列は熊野本宮大社が川の増水で流失する以前の姿を再現しています。今回の旅では、熊野本宮本社は断念したのが心残りだったのですが、この事を知り、熊野三山の巡礼はできたのかなと思いました。

伊勢神宮(内宮)

旅の締めくくりは、伊勢神宮です。およそ2000年前、垂仁天皇の御代から五十鈴川のほとりに鎮まります皇大神宮(こうたいじんぐう)は、皇室の御祖先であり、我々国民から総氏神のように崇められる天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りしている場所です。伊勢市駅に到着して早速観光案内所で市内マップを入手して、一日の計画を立てます。伊勢市駅から内宮までは約4kmあり、徒歩では時間が足りないので、バスではなくレンタサイクルを利用することにしました。案内所の方から駅から内宮までの行き方を3通り教えていただきました。

 

レンタサイクルは伊勢市駅手荷物預かり所で手続きができます。料金プランは4時間と4時間以上。返却最終時間は17時でした。「お伊勢参りは、外宮から」が基本ですが、混み合う時間も考え、「内宮から」参拝することにしました。アップダウンの傾斜を自転車で走るのも気持ちがとても良かったです。おかげ横丁に到着すると予想通り混み合っている中を通り抜けました。宇治橋前に自転車を駐輪して内宮へ。

 

正宮の参拝を終え、神楽殿に立ち寄りました。ご祈祷は「御饌(みけ)」と「御神楽(おかぐら)」の2つがありました。「御饌」はお祓い後、御神前に神饌しんせんをお供えし、祝詞のりとの奏上そうじょうをもって皆様の真心とお願いごとを大御神にお届けします。さらに、雅楽の調べと共に雅な舞を奉納するご祈祷が「御神楽」となります。所要時間は「御饌」が約15分、「御神楽」が約25分から40分です。その時はすぐにできるタイミングだったのですが、あえてその次の回にお願いをして、「御饌」のご祈祷をお願いしました。神宮のご祈祷は「皇室の弥栄」「国家安泰」、「五穀豊穣」の祈願に加えて、自分のお願い事をご神前にお届けすることができます。用紙の項目には神恩感謝、家内安全、身体健全、商売繁盛、事業繁栄、安産祈願、お宮参り学業成就、交通安全、厄祓い、除災招福、心願成就、病気平癒が選択できるようになっていて、迷うことなく神恩感謝を選択しました。ご祈祷することは最初の計画にはありませんでしたが、これによって旅の最後の目的を達成することができたと実感することができました。

豊受大神宮マップ

伊勢神宮(外宮)

内宮での参拝を終え、駅に向かいながら名所に立ち寄ります。猿田彦神社・月読宮・倭姫宮・松尾観音寺の4カ所を巡りました。松尾観音寺だけはルートから離れていたために案内所では紹介されてませんでした。行きにこのお寺が気になったのです。松尾観音寺は創建以来、本山も末寺も檀家も持たず、いずれの既成宗派にも属さない“単立”という特異な形態の日本最古の祈願寺で、霊験あらたかなご本尊『十一面観世音菩薩』と脇仕の『地蔵菩薩』『毘沙門天』と龍神伝説に因み、「災難除け」「縁結び」などにたいへんご利益があるとされたくさんの参拝者が訪れる場所でした。また、お寺の方みなさんがとても親しみを持って接してくれます。色々と説明を聞かせて頂き、最後に外宮でお伊勢さん観光ガイドがあることを教えて頂きました。地元の人から愛されているお寺で立ち寄って本当に良かったです。

 

その後、自転車を返却してから外宮ヘ行きました。まずは外宮前観光案内所でお伊勢さん観光ガイドをお願いしました。案内時間は午後15時まで。14時40分位でしたが、間に合いました。ちなみに内宮のガイドは有料で事前予約が必要です。こちらは無料で予約なしで申込ができます。さらに、事前に予約すれば、ガイドさんの交通費負担はありますが、無料で外宮と内宮のガイドをしてくれるそうです。このガイドサービスはおすすめです。

旅を終えて

この旅を一言で表すと「心をリセットするための旅」だったと思います。独立してから現在まで、今までの人生に比べても真剣に誠実に様々な物事に向き合いながら生きてきたつもりです。しかし、大切にしている想いさえも、それが迷いに脅かされる状況がやってきます。もちろん、正しいと信じているのですが、現状の流れを見れば見るほど、その迷いは一向に消えません。最初に考えた旅の目的は、「自分自身を見つめ直す旅」でしたが、初日でそれが違うことに気がつくことができました。それはもう十分過ぎる程時間を費やしてきたからです。

 

そうではなく、未知なる状況の中で自分がどう考え、行動するのか。それによってこれまでの自分の考えは正しいと判断できるものもあれば、本当はそこまで固執しなくてもよい概念だと気づくことができます。それまで心の中に溜まったものを一度全部手放した時に、残るものは何か?この旅では、ここでは綴りきれない程、様々な体験をしてきました。この旅を終えて、体だけではなく、心もかなりスッキリしました。

 

これからの生活の中では、さらに幸福度、満足度、閃光をこれまで以上に自分の内側から積み上げていきたいと思います。