緋銅の箸置き
箸の日があるということ、そして、年に2回あるというのは、ご存知でしょうか?
まずは、11月11日ですが、箸が二膳並んでいる様子から、平成27年(2015年)箸の国際学術シンポジウムが制定しました。
日本、中国、韓国の専門家や学者による『箸の世界遺産登録』を目指す動きがあるようです。
もうひとつは、8月4日で、こちらは「はし」の語呂合わせで、昭和50年(1975年)わりばし組合が制定しました。
正しい箸の使い方から食文化の見直しまで含め、箸のことを考えようという日です。
箸置きは日本の文化
日本に箸が伝わったのは7世紀初頭のこと。
それまでは、食事は手掴みでした。
聖徳太子が中国に遣隋使を派遣し、中国では食事の時に箸を使っていることを知ります。
その影響で、日本でも箸を使うようになったのが箸文化の始まりと言われています。
一つの箸には、1本が神さまが使い、もう1本を人が使うという意味があり、神と人の合一の手段として使われています。
同じ箸を使い、同じ物を食べる事で、神と人が共に共存することを感じ取り、神さまの魂を自分の身に呼ぶことを願う意味があります。
そんな意味合いから、二本の小棒が寄り添って初めて成り立つ道具の箸は、日本の文化として定着しました。
現在では、日本でも食事のスタイルは多様化しています。
食事のスタイルは、「箸食」、「ナイフ・フォーク・スプーン食」、「手食」の3つに大別されます。
割合としては、箸食が約30%、ナイフ食が約30%、手食が約40%と言われています。
食事をする道具の利便性だけではなく、道具の意味合いも考えると、さらに心が豊かになると思います。
さて、口の中に含んだ箸を机に置くと汚れる場合があります。そこで、箸を茶碗やお皿の上に乗せると、"渡し箸"と言って、マナー違反になります。
そこで、箸置きが必要となるのですが、衛生面のためにあるだけではなく、「食事は生命をつなげる行為であり、その神聖な行為を担う箸を、さらに支える土台として、箸置きは箸と一緒に広まってきました。」
箸置きは、食卓で箸の先をのせておく小さな道具をいいます。また、箸枕とも呼ばれています。
食事の時に、箸を使う人でも、箸置きは使ったり、使わなかったりするのが現状ですが、箸置きは日本の文化なのです。
緋銅の箸置きを作るきっかけは、心を豊かにする食卓の演出に役立ていただきたいという想いを込めました。
いつもより食事の時間を贅沢な気持ちで過ごして欲しい。
特別な日に、お祝いの時に使って欲しい。
大切な人をおもてなすときに使って欲しい。
小さな箸置きだからこそ、鮮明な緋色が自然と食卓を華やかにします。
食事の時間を、みんなで楽しむためのひとつのアイテムとなれば、とても嬉しく思います。
結婚7周年の銅婚式の記念品やプレゼントとして、心を込めてお作りします。


箸のマナー違反
最後に、箸置きを使うと解決できるマナー違反をご紹介します。
●「寄せ箸」・・・箸を使って食器を自分の方に寄せる行為。
●「指さし箸」・・・箸で人を指さす行為。
●「直箸」・・・取り箸を使わずに自分の箸で取り分ける行為。
●「たたき箸」・・・箸で食器を叩く行為。
●「立箸」・・・ご飯に箸を突き立てる行為。
●「振り上げ箸」・・・箸を振り上げる行為。
●「持ち箸」・・・箸を持った手で同時に茶碗などを持つ行為。
●「渡し箸」・・・箸を器などに渡して置く行為。
少し無理があるものもあると思いますが、相手に不快を与えないように心掛ける気持ちが大切です。