ワックス修正で感じること

神経質な作業


時折ですが、お預かりしたリングワックスを職人に依頼する前に、自分が手を入れることがあります。

 

1. 職人が嫌がりそうな修正依頼のとき

2. 文章や言葉では伝えきれないとき

現在のパートナーの職人になってからは、1.に関しては一切行っていません。

 

その理由は、2つ

1. 嫌がる修正依頼については、改善を求めてくるから

2. ワックス修正という点ではなく、鋳造後の仕上げまでの線で考えるから

 

今回は、2です。

文章や言葉では伝えられないものとは何か?

それは手作りされたお二人の会話や、好み、その場の空気感など、見えない部分です。

つまり、同じワックスを見ても、自分と職人では見え方が異なるということです。
自分が手を加えるときは、そのような微妙なギャップが発生した時だけ、さらに加えるのは部分的に限定します。

その部分的に限定したところでさえ、手を加えるとなると失敗が怖いです。
基本となるラインが崩れないように、慎重に的確に行っていきます。
修正は、基本的には自分ができないところを職人に依頼して頂きます。
今回は、表面の凹凸は残し、ヤスリ目が残っているところは綺麗にします。
その凹凸も手作りにしか出せない表現なので、とても神経を張り詰めて作業します。

その凹凸に残るヤスリ跡を削っている最中は、ワックスにおふたりの作業されている姿が投影されているような感覚がありました。
その映像を頼りに、面の当て方、スパチュラを動かす方向、削る量など直感で決めていきます。
さらに、綺麗になる度におふたりの驚いた表情、喜ぶ様子が見えました。
手を動かしながら、ふたりから応援されているような、大丈夫と支えられているような感覚です。
以前から、何となくそんな感覚はありましたが、久しぶりに行った今回は一味違いました。

兎に角、結果として、これで安心して職人に依頼ができます。

手作り指輪は、何よりも大切なのは作る方の想いの熱量(エネルギー)です。また、そこに関わる全ての人の活動の想いです。
今回の素敵な手作り指輪の物語の中でも、みんなが想いと信念をもって活動していきます。
完成が今から本当に楽しみです♫