取扱金属の表記変更のお知らせ

K18WGを除外


5月から、これまで手作りの婚約指輪や結婚指輪で取扱していた「K18WG」を除外させて頂きました。

これによって、残っている取扱金属は、プラチナ(Pt900)とK18PG/YGとSVの4種類になってしまった!!

 

婚約指輪と結婚指輪でメインになるのが、プラチナ(Pt900)とK18PG/YG。

この3つに共通することと言えば、メッキの必要がないということです。
ブライダルリングでよく言われる言葉、そう、あれですよ。

 

「純粋」

 

また、「鍍金(めっき)が剥がれる」 という、“隠れていた本当の姿が現れる”という意味で使われる諺があります。

技術は向上していますが、剥がれやすい・剥がれにくいということではなく、本質の色がそもそも違うということです。

 

その他にも、「真金は鍍せず」という諺があります。

これは、本物の金であれば「めっき」する必要が無い。つまり、本当に実力があれば外見を飾る必要が無い、という意味です。

 

さて、「純粋」かどうかはこの辺にして、指輪は毎日身につけてもらうことを前提にしてます。

1年、2年、3年…金属は物体ですから、使用時の損傷、金属の経年劣化は避けることはできません。

これは、鍛造、鋳造、既製品、手作りなど関係なく、起こる問題なのです。

 

そうなった場合ですが、当本人はメッキが剥がれていようとも、気にはなりつつも、そのまま身につけることが多いのです。

もちろん、メンテナンスができることは知っています。手作り指輪の場合には、嫌々ではなく、それを身につけたいから、身につけてているのです。

この気持ちはとても嬉しいことなのです。その結果がわかっている以上、この問題を解決するには、最初から除外した方が良いと考えました。

 

正直、そう考えても決断するのには勇気がいります。他店では、沢山の種類の取扱金属があることを、アピールしているところがあるからです。数を絞り、アピールをしないという選択は、ある意味、完全に流れから逆らった行動をしています。 Pt950、K14やK10など扱えない訳ではなく、あえて扱わない選択をする。

 

この後は、その理由を綴ります。

指輪の影響

“安心・安全”については、サポートする私たちの環境にも同じことが言えます。現在、同じ工房で活動している職人がパートナーです。

お互いに同じ想いを持ってそれぞれ活動をしています。

 

「職人の声を聞かず、ユーザーの要望を優先する。」

 

10年前位はそれが必要だったと思いますが、現在に至ってはそれが行き過ぎている感じます。

その結果、信頼できる職人が本当に少なくなった。

悪い言い方をすれば、加工代や納期を理由に、工程の一手間を省くようになった。

これが実に厄介で、「想い」よりも「現状」を優先して考えるようになってしまったからです。

 

現在、工房は御徒町にあるので、街にはたくさんの職人が仕事をしていますが、基本、私が依頼する職人は彼だけです。

手作りジュエリーの職人の意見を聞きながら、職人が懸念したり、嫌がる依頼については、最終的にお断りしてきました。

目先の売上がなくなるのは、正直辛い葛藤する時期もありました。

 

なぜ、依頼を断ってまでひとりの職人にこだわるのか?

 

自分が信頼をおける職人の技術を引き出す環境にいるのだから、依頼をするのが自分の役割でもあるからです。
どれかが、一つでも欠けていたり、想いが弱かったりすれば、成り立つことはありません。

手作りする方の想いと、自分の想い、そして、職人の想い、すべてがつながって最高の手作り指輪が誕生します。

 

同じワックスから原型を作る鋳造の手作り指輪は、同じですが制作の過程、仕上げの技術は、職人で左右されます。

一般の方は、そこまでわかりませんし、考えるきっかけすらない状態です。

難しいことはさておき、自分が自信をもって「素敵」だと思うこと、心から楽しい、幸せだと言えることを、仕事にします。

 

「なんだ、リンプラでは取扱金属が4種類しかないのか」

「リンプラは、取扱金属にこだわり4種類しかないのか」

 

約2年前、K10WG/PG/YGとK14WG/PG/YGの取扱金属から除外しました。

その時は、手作りしたい方が選択したい手頃な低価格帯が無くなってしまったので、新規予約件数に影響はあったと思います。

それでも除外した理由は、今の職人の意見、考え方に共感したからでした。

もちろん、これまで当工房で作って頂いた指輪は、責任をもって対応しますので、ご安心くださいね。

 

※取扱を辞めた貴金属について否定をしている趣旨のものではなく、当工房の現状の方針について綴っておりますので、お間違いないようお願い致します。