朝倉彫塑館へ行ってきました。

御徒町の工房へ行く時に、通過する日暮里駅。今日は途中下車をしました。

目的は、先日のブログをご覧ください⇒台東区立文化施設入館無料デーのお知らせ

結果から言いますと、朝倉文夫氏の世界を満喫して、本当に良い時間を過ごさせて頂きました。
館内は撮影禁止でしたので文章で、外観と屋上の撮影はOKなので、このあと紹介します。

朝倉彫塑館


この建物は、1935(昭和10年)年に竣工。朝倉文夫氏自ら設計・監督したアトリエと住居で、細部に至るまで工夫を凝らし、こだわりが詰まっています。現在は、国指定名勝・国登録有形文化財となっています。

 

建物は、1階から3階まであり、全階と屋上も見学することができます。

アトリエ棟はコンクリートで造られていて、住居棟は木造になっています。アトリエは天井も高く、今回は見ることはできませんでしたが、大きなブロンズ作品を作るための驚きの仕掛けもありました。

書斎の部屋は、圧巻でまるで映画や絵本の世界に入り込んだような空間でした。後で知りましたが、「書棚は建物の壁のようにする」とのこだわりがあったそうです。

 

そして、なんといっても中庭の風景が素敵でした。

「水」が好きだったそうで、茶室から見える中庭からは、水の音に耳を傾けたり、水の流れが作る流線、天の色で変わる水の色だったり、心にある雑念も自然になくなるといった内容だったと思います笑
実際に、自分も正座して窓際から中庭を眺めてみましたが、何かを考えるとかではなく、何も考えずボーと眺めていたい素敵な空間でした。


美意識


屋上庭園には、「砲丸」というブロンズ像があります。残念ながら背中を向けているので、このアングルですが案外好きです笑

教育者としての活動もしていて、朝倉彫塑塾という専門学校をここで開いていました。当時、「園芸」が必須科目で、屋上がその実習場だったそうです。

 

「植物を育てることは、自然を見る目を養うことに通じる」
「植物は土によって命を育む、彫刻もまた土によって命が吹き込まれる」

ブロンズ作品の最初の工程は、「粘土原型」で粘土で作品を作ります。

朝倉氏の美意識や彫刻家としての視点・考え方の根底にあるそうです。

 

ここは、色々な分野の方が訪れたとしても、何かしら得ることのある空間だと思います。どこを見て、何を感じるかは自分次第ですが、朝倉氏の創り出した世界から、朝倉氏の思考を少しでも垣間見ることができたら、価値のある時間だと思います。

 

最後は質問で終わりたいと思います。

「ブロンズ像の“目”はどんな形状をしているかご存知ですか?」