結婚7周年<銅婚式>オーダ-緋銅ペアリング

銅婚式用の指輪


結婚記念日の約1ヶ月前に、「銅婚式用に指輪を作成して頂く事は可能でしょうか?」という問い合わせを受けました。

その時の返信では、緋銅の指輪のオーダーについては、デザインでいくつか制約があることをお伝えしました。

制約の内容

1. リングのサイズはフリーサイズとなります。(ロウ付け不可)

 平板から輪にすることもできますが、仕上がりで金槌の叩き痕が内側に残る場合があります。

2. 出展作品のほとんどが、職人の彫り練習用のリングを使用しています。表面に彫りやミルなどの加工はオーダー対応ができませんが、槌目は対応ができます。

3. オーダーリングは、厚み1.5mmの銅板を使用します。(作品は厚み1.0mm)

4. リングの幅は、ご指定いただけます。

5. デザインについては、ご要望を写真やデッサンなどでお伝えください。

6. オーダー料金は、※※円(税込)(正式にオーダー依頼時)

 

オーダーをお受けする際は、制作前のお互いのやり取りがとても大切となります。想定されることは良いことも悪いことも隠さずに、お伝えしていくことで、後々も問題なく進行することができます。ご不明な点など些細なことでも、お気軽にお尋ねしていただければと思っています。

形状の選択

先ほどの制約内容をご確認していただき、次のステップへと進行します。

ここからは、指輪の具体的なデザインの確認となります。

 

【オーダー確認】

1. デザイン:平打ち

2. フリーサイズですが、サイズはご指定ください。(0.5号単位可能)

※フリーサイズとは自由にサイズが変えられるという意味ではなく、円ではない状態を言います。

3. リングの幅をご指定ください。幅は最小4.0mm~最大20.0mmとなります。※0.5mm単位で対応します。

4. 制作方法として、フリーサイズ、もしくは平板から輪にする方法からお選びください。

5. 平打ち表面の槌目の有無もご指定ください。

 

上記、内容を確認しましたら、最初に指輪のサンプルを制作するご提案を致しました。緋銅にする前のタイミングで撮影した画像をメールをします。 そこで、確認していただき、正式なオーダー依頼との流れになります。

銅婚式用のリング

リングとプレート

リングのオーダーのご返事と「子供(3才の息子用)に何かありますでしょうか?」というご連絡を頂きました。


その結果、今回のオーダーは、リング2本とプレート1枚の3品となりました。

緋銅にする前のタイミングで画像をメールして、ご納得して頂ければ、正式なオーダー依頼とさせて頂きました。

さらに、依頼後の緋銅の作業では、火を銅が溶ける寸前まで当てます。 万が一、溶けた場合は作り直しすることをお約束しました。

 

【刻印のご提案】

結婚指輪のように、リングの内側に刻印「アルファベット大文字」、「数字」、「・」を手打ちすることもご提案しました。ただし、緋銅前限定の対応とさせて頂きました。

 

【納品について】

発送方法と最終発送日をお伝えしました。

 

【リング2本とプレート1枚の3品の制作】

最初の期日をご提示しました。


制作後のご連絡

リング2本とプレート1枚の3品の制作が終わり、ご案内をします。

『指輪』

銅板厚み1.5mm使用

・サイズ○号と○号

・平打ち

・幅4mm、厚み1.1mm~1.2mm

・内甲丸(指輪と指の当たる角を削り指馴染みを良くしています)

・刻印なし

『プレート』

銅板厚み1.5mm使用

・直径20mm、厚み1.5mm

・刻印イニシャル「M」

・裏面刻印なし

 

3枚の写真は中仕上げの状態です。この後、バフ研磨機による最終研磨で鏡面にしてから、いよいよ緋銅の作業となります。 


作り直し

【経過報告】

制作には取り掛かっておりまして、プレートは完成しております。

リング2本については、緋銅作業で自分が満足できるものではなく、現在作り直しをしております。

試作、サイズ不適合など今回制作したリングの数々です。これらは、最後まで仕上げをして、緋銅の作業を行います。本番前の炎の当て位置や大きさなどを確認する意味もあります。

・とても綺麗な緋色ですが、溶けている箇所が見られる。

・とても綺麗な緋色もあるが、全体的に濃淡で色合いが不均等である。

最初にもお伝えさせて頂きましたが、妥協することなく制作を致します。

これはすべて、自分で不合格にしたものです。

 

当初の予定では今月には完成を目指しておりましたが、最終発送日まで期間がありますので、引き続き、制作の時間に当てたいと考えております。

 

なお、ご連絡が空いてしまい、ご心配になられていることと思い、現状の進行報告をさせて頂きました。

 

開封された時に、喜んで頂けるように、取り組んでおりますので、もうしばらくお時間を頂けれれば幸いです。

宜しくお願い致します。


リングの完成です

大変長らくお待ち頂きました。

リングの緋銅作業で満足できる結果となりましたので、完成のご連絡を致します。

作品がお手元に無事に届くことを願っております。到着を楽しみにお待ちいただければ幸いです。

気に入っていただけることを、心より祈っております。また、作品の感想などもお待ちしております。

最後になりますが、結婚7周年おめでとうございます。これからも末永くお幸せな家庭を築いていってください。

その中で、この緋銅の作品が皆様にとって思い出の品となれば光栄です。ありがとうございました!

 

【作品の感想】

指輪とプレートありがとうございました。

記念日には早いですが、先日渡しました。

キレイな色だったのと珍しいので喜んでいました。

ありがとうございました。

結婚7周年

作品作りの感想

板から指輪を作り出す技術は、去年アメリカのコインをリングにした経験を活かすことができました。

>>人気ブログ「コイン硬貨をリングにする」

しかし、指輪作りに関しては、成功するためには2つの大きなポイントがありました。まずは、指輪のサイズ。そして、最高ランクの緋銅にすることです。

そのリスクも考えながら、メールでのやり取りを交わしましたが、自分にできないのなら途中で依頼はこなくなるはずだと言い聞かせてました。
つまり、依頼となれば必ず自分は最高ランクの緋銅に成功できると、(根拠のない)確信だけはありました。


まず、制作したプレートはこれ以上にない最高ランクの結果となり、さらに、リングのハードルを押し上げました。

当たり前ですが、リングは◯で、中は空洞です。炎はピンポイントで当てるのが基本ですから、炎を均等に当てるのは本当に難しい作業です。

最初に上手くいかなかったのは、自分の心のどこかに、上手くいかなくても、次があると逃げ道を作っていました。

 

モノづくりで成功するための大事な要素は、想いを込めることです。心が作品に現れるのです。とてもシンプルなことです。

最後は、しっかりと炎をとらえて、緋銅にすることができました。

 

完成した緋銅リングは、本当に光り輝いていて、かつ、上品な美しさがありました。
結婚7周年という大切な記念日に、妥協なく自信をもって作品を納品することができたことは何よりも嬉しいことです。
またひとつ、素敵な思い出とともに自己成長をさせて頂きました。

追記

このブログは、2017年2月13日に綴ったものです。

緋銅リングの制作依頼内容については、緋銅オーダリングPLUSのページをご覧ください。