昨年、結婚指輪を手作りされたおふたりから、お手紙が届きました。結婚式を今年終えて、式の写真を頂きました。
おふたりにとって、思い出に残る結婚指輪作りとなり、今でも大変喜んで頂けていることが、自分にとっても嬉しいです。
本当におふたりの手作り結婚指輪の物語も素敵でした。
手紙には、結婚式での指輪交換の時のことも綴られていました。
読んだ後、指輪交換を先にイメージしてもらうのも何かプラスに作用するかもしれないと考え、「結婚式の演出」のことを綴ろうと思います。

指輪の交換
指輪の交換をする前の作業は、まずはグローブを外します。式では、ゲストの注目の的になり、緊張するかもしれませんが、ひとつの動作をゆっくり行うと、心は落ち着いてきます。
最初に、手の甲を正面に向けて、鎖骨辺りの高さで指を揃えます。次に、右手で手袋の指先を3センチほど引き上げてゆるめます。その状態からグローブをしている左手を下に引きます。※ロンググローブの場合は、脱ぎやすい長さまで半分に折ってから抜くようにします。
グローブを外したら、次は向かい合って、花婿が左手で、花嫁の左手を下から支えます。
肘の角度は90度を目安に、肘から指先までまっすぐ伸びている状態が理想です。いよいよ結婚指輪の交換です。
もし、指輪が入りづらい時は、第2関節以降はご自身でフォローもありです。
ここで、空いている右手はどうするかというと、ダラっと下ろさず、お腹の辺りに軽く添えてください。
【ポイントの整理】
1. グローブは指先から3センチほどゆるめる
2. ゆるめた指先を押さえながら左手を引く
3. 指輪の交換は、左手で相手の左手を下から支える
4. 肘の角度は90度を目安にする
5. 右手はお腹の辺りにおく
ベールアップ
ベールアップには、ふたりの壁を取り払う意味が込められています。
花婿は手の甲を上にして、ベールの裾を肩幅に持ちます。ベールがシワシワになったり、折れ曲がらないように、ベールの内側に風を送るイメージで、花嫁の額までさっと上げます。
次に、花嫁の頭上を弧をゆっくり描きながら向こう側へ下ろします。花嫁はベールが上がり始めると同時に、花婿の胸の高さに視線を合わせるように腰を落とし、祈るように首を軽く曲げます。この時、背中が丸まると、かっこ悪いので、背筋はピンと伸ばしてください。
そして、花婿がベールを背中へ下ろすタイミングに合わせて、ゆっくり姿勢を元に戻します。
【ポイントの整理】
1. 花婿の方が花嫁に一歩近づく
2. ベールを持つ手は、甲を上にする
3. ベールを上げるときは、ゆっくり弧を描く
4. 花嫁はベールアップと同時に腰を落とす
5. すこしうつむき、顎をやや引いて待つ
誓いのキス
ベールアップの後は、誓いのキスです。
厳かな場ですから、首に手を回したり、抱きついたりしないように、できる限り爽やかに演出しましょう。
花婿が花嫁の肘に手を添えたら、顔を少し上げ、花婿のリードに任せてキスをする。この時は、ふたりの距離が離れているとかっこ悪いので、花婿は一歩前へを心掛けましょう。
花嫁は、おなかの辺りに軽く手をポージングしておくのがベター。恥ずかしければ、キスは頬やおでこでもOKです。あらかじめ事前にキスをする場所は決めておいたほうが無難です。また、シャッターチャンスでもあるので、顔をどちらに傾けるかも事前に確認するといいでしょう。