唯一の趣味と言える水泳、辞めます

プール嫌い


実は、専門学校に進学して、平泳ぎだけは泳げるようになりました。子供の頃から『プール嫌い』でいつも休む理由を考えていました。進学の際は、プールのない高校を選ぶほどプール嫌いでした。

水に顔をつけることは出来ましたが、とにかく苦手意識が強かった。

泳げるようになりたい気持ちよりも、泳がなくていい環境を望んでいました。

最大の原因は、よくあることだが、小学生の時に、プールの中でふざけ合って遊んでいたときに、水の中で息苦しい体験をして、恐怖心が生まれたことにある。

その恐怖が泳ぐたびに思い出すので、息継ぎができずに苦しくなるとすぐに泳ぐことを諦めます。

でも、海は好きです。だから、基本的には水は嫌いではなかったのです。

でも、泳ぐことに関しては、泳げなくても生活に不自由しないと自分に言い聞かせていました。

なので、子供の頃のプールの思い出も青春もありませんでした。休む口実と言えば、「先生、水着忘れました。」「お腹痛いです。」

可能な限り拒絶した結果、「泳げない、怖い、馬鹿にされる」など、益々水泳の苦手意識は確立していきました。


夏休み返上


平泳ぎは、1ヶ月で習得できました。

指導してくれる仲間に恵まれたし、夏休みが欲しかったのが大きな理由です。

あと、平泳ぎはクロールよりも息継ぎが簡単で、疲れ難いので海上でも役に立つと思ったからです。

 

あれほど水泳嫌いの自分が、そもそも海員学校に進学することが、普通ならおかしい選択なのに、進んで選んだ道です。

 

結局は、夏休みの有無ではなく、自分の命を危険から守るために、泳ぐことを選択するのです。平泳ぎができれば大丈夫。

 

でも、水泳の苦手意識は消えることはありません。

言われ続けて2年


船舶関係の仕事から離れると、海もプールとの距離は自然と離れていきました。

 

数年、数十年月日が経ちました。

その間、数十年になる整体師の先生から色々と自分の身体と健康についてお世話になっているのだが、その先生がおすすめしていたのが水泳だった。

水泳にはメリットがたくさんあることは理解しています。

 

しかし、水泳に苦手意識がある自分にとっては、ジムにあるプールにしても、スイミング教室にしても泳げない、馬鹿にされるなどの思い込みがあり、物凄く抵抗があり、ここでもその話がでる度に誤魔化していました。

3.11


この時に、自然災害は他人事ではないと感じました。

もし、水や波に襲われたらただ何もできずに死ぬしかないのか。

たとえ、死ななかったとしても、誰かの助けがあることが前提になる。

このまま、自分さえも守れない役立たずな人間でいいのか?

 

もし、自分が泳ぐことができたら、自分の命くらいは守れる。自分の命だけじゃなくて、誰かの命も救えることができる人間になれる可能性がある。

だから、泳げるようになりたい。

 

結局、苦手意識は自分の不安や恐怖だけで、自分の中で大義名分があれば、それに打ち勝つことができるのです。

仕事の後に地元のスイミング教室に通う生活が始まりました。


基礎を身につける


まずは、泳げることが目標だったので、初級のコースからスタートしました。

案の定、クロールは息継ぎのできない恐怖はありましたから、まともに泳ぐことはできません。

 

ただ、平泳ぎなら泳げることは、自分の自信になりました。

初めは、愚直に呼吸法の練習を徹底して行いました。

 

1時間の中で学んだことを、その後の1時間で復習する2時間をずっと続けました結果、クロールも泳げるようになりました。

 

ある時、プールサイドでバタ足の練習ばかりする自分の姿を見て、熱心にリハビリされてますねって言われたことがありましたが、子供と同じような練習方法を地味に行っていました。

 

格好が良いとか悪いとか、人目の評価ではなく、最短最速で成長できる選択をしていると思っていたので、どんな風に思われようが気になる事はなかったです。

 

水泳を始めて半年たった時に、このクロールの動画を撮影して公開しました笑

3年と9ヵ月


初級~中級~上級と順調に上がっていきました。長い距離を泳ぎ続けることが課題となり、マスターコースも検討している最中に、仕事の都合で通うことさえ難しい状況になってきました。

 

その時、退会も考えましたが、水泳のメリットも実感していたので、フリーコース(日中)に変更して継続することを選択しました。

 

ただ、教わる人がいない環境で、泳ぎの上達は難しいとも実感します。

しかし、ここのスイミングの環境にもメリットを感じていました。

 

そういう点では、自分のペースでリラックスしながら楽しめるようになり、純粋に水泳と向き合う時間に変わったように感じます。

 

息継ぎができず不得意だったクロールも上達していき、長い距離も泳げるようになりました。

 

さらに、それまでの右呼吸から左右呼吸ができるように2ヶ月間でフォームを修正しました。

 

この歳になって「泳げない、怖い、馬鹿にされる」人生に、終止符を打つことができました笑

退会を決めた理由


今は、水泳の苦手意識はありません。人生で水泳と真剣に向き合った時間は5年位だし、まだ上達するのりしろがあると信じています。

 

でも、自分を守るレベルにはなったはずだし、目の前で起こったことに対して、立ち尽くすのではなく立ち向かう勇気はついたし、仮に、水中で息苦しい状況になっても、恐怖ではなく心穏やかに死ねるレベルになったと自負しています笑

 

水泳からは、これまで本当にたくさんの学びや気づき、そして素敵なギフトを頂きました。だからこそ、退会をする日が来るとは自分でも考えていなかったです。

 

「自然な流れに任せ、善の直感と創造で行動し、感動、喜び、幸福を味わう。」

 

感動と喜びを増やすを理念に活動する中で、最近では、これが自分の生き方になってきました。退会は、次なる新しい事の始まりだと考えています。自分でも、それが何かはまだはっきりわかっていません。

 

2016年8月26日(金)or27日(土)がラストスイミング(※現時点では予定です)