レーザー刻印
数年前から、宝飾業界でも機械式文字彫刻機(職人の手作業)に代わり、レーザーによるマーキング加工が増えいます。
最近では、ブライダルでも多く扱うようになっていますので、そのニーズに合わせて、治具の作成や道具の改良は年々進化しています。
レーザーマーキング(刻印)の特徴は次のようなものがあります。
- 極めて小さく精密な文字の照射が可能です。(幅の細い指輪の文字入れ等)
- 硬度のある金属も施工できる。
- お気に入りのFONT(字体)や絵文字の使用も可能です。
- 手書きの文字や図形をデータ化して照射することが出来ます。
- S字状のカーブのリングにも対応できます。
- 彫後の処理を考える必要が無ければ多少表面の凸凹があっても照射が可能です。(レーザー反応面:高低差3mm以内)
- 複雑な形状の照射面でも現物の写真を取込みデータ調整ができる。
- 板状パーツの作成など金属板に直接図面をケガキ線照射が出来る。
技術の進歩は本当に素晴らしいですよね!
ネーミングは違えど同じ
特徴でも説明はしましたが、手書き文字や簡単なイラストをそのままの筆跡でリングに彫刻は簡単にできます。
確かに、数年前にはエンゲージリング(婚約指輪)、マリッジリング(結婚指輪)の内側の文字は、『日付とお互いのイニシャルを「&」や「to」で繋げるのが一般的です。
もっとメッセージ刻印ができた方が良い。自分の文字で、愛の言葉を刻めたら、どれだけ喜ばれるだろうという発想はとても素晴らしいことです。レーザー刻印という技術をエンゲージリング(婚約指輪)、マリッジリング(結婚指輪)の表や内側に刻むことができて、カップルの喜びは確かに増えました。
ただ、『自〇〇印』や、『〇〇刻印』って類のネーミングは、ちょっと意味が違うかなと思う。素直にレーザー刻印でもいいんじゃないかなと思う。
筆跡の意味って本当に理解しているの
Wikipediaで筆跡を調べると、筆跡(ひっせき)とは、ワードプロセッサなどを介さずに、筆、ペンなどの筆記用具を用いて人の手によって直接書かれた文字のことを言います。
または、その書き方の癖などを指す言葉で古代では、亀の甲羅や動物の骨に対して、先を鋭利に尖らせた石などで、これに天と地や農作物などを象形化した甲骨文といわれる文字を「ひっかき」、占いの道具として使用するために用いられたのが最初の筆跡といわれている。
つまり、レーザー刻印は筆跡とは厳密には言わないのです。
では、リンプラのようにワックスの指輪に自分で刻印を入れる行為はどうか?
これは専用の道具を使って「ひっかき」彫る作業を行います。一文字一文字、線の幅や曲線とストレートの彫りの深さまで、微妙に違いますが、それがそのまま指輪のカタチの一部となります。
これこそが、筆跡と言えます。
なぜ、多くの手作り指輪専門店がこの筆跡をせずに、打刻やレーザー刻印をおすすめるのか、わかりますか?
なぜ、リンプラはそれが可能なのかわかりますか?
なぜ、筆跡にこだわるのかわかりますか?
「筆跡」の本当の意味がわかれば、きっと考え方が変わりますよ。

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