ラジオの歴史

世界初ラジオ

 

エジソンの元部下だったカナダ人のレジナルド・フェッセンデンという電気技術者が、1900年に電波に音声情報を持たせ、約1.6km離れた地点で受信に成功させ、世界初の音声信号の無線通信となりました。

1906年のクリスマスイブの前に「クリスマスイブに特別な通信が入るらしい」という噂を聞いていた船の通信士たちは、アメリカ・マサチューセッツ州の放送局から流れてきたのはクリスマスソングや聖書の朗読に、通信士たちは心底驚いたそうです。

 

1920年、世界初の公共放送としてアメリカ・ペンシルバニア州のKDKA局が放送されました。内容は当時のアメリカ大統領選でウォレン・ハーディングが当選したという速報でした。さらに、KDKA局では番組の途中に企業のCMを流す「民間放送」というビジネスモデルを確立したことでも知られています。世界初のラジオCMは時計会社やカーディーラー、音楽出版社など諸説あるようです。ちなみに、日本初のラジオCMは、1951年大阪のMBSラジオで流れた精工舎のCMです。「精工舎の時計が、ただ今、7時をお知らせしました」という、時刻を知らせる時計メーカーならではの内容でした。


日本のラジオ放送の歴史

 

はじめてのラジオ放送は1925年現NHKラジオ第一放送東京放送局である社団法人東京放送局でした。2年前に起きた関東大震災で情報伝達メディアの必要性が叫ばれ、開局が急ピッチで進められたそうです。その後、東京から発信された電波は大阪、名古屋でも聴けるようになったのですが、電波が弱く東京以外は非常に聴き取りづらかったそうです。

 

「NHK放送」にて毎朝放送されているラジオ体操。この起源はアメリカの生命保険会社で行われていた健康体操でした。 1923年、逓信省が国営の簡易保険事業を始めるにあたって、職員がアメリカ視察に訪れ、電波を使って国民に体操を促す仕組みを見ました。その仕組みを日本でも取り入れようと逓信省にアピールし、日本人の体格向上のための体操が開発されました。第1回の放送は1928年11月1日の朝7時。昭和天皇ご即位の記念行事として「国民健康体操」という名称で、NHKから放送されました。現在のラジオ体操は1951年に発表されたもの。10年ごとに行われる周年記念行事では、毎回1000万人でラジオ体操をする「ラジオ体操祭中央大会」が行われています。

 

ラジオ放送がスタートしても、受信機がなければ聴くこともできません。ラジオの普及が進んだのは1931年におこった満州事変がきっかけだそうです。戦況や国内の状況などの情報を求める人が多く、ラジオの契約者数は、1931年9月の約65万から、翌年3月には105万にまで増えたそうです。その後、第二次世界大戦ではラジオを通じて天皇が日本の降伏を告げる「玉音放送」が放送されました。

 

第二次世界大戦後1950年になると、逓信省(ていしんしょう:郵便や通信を管轄する中央官庁)によって制限されていた民間ラジオ放送の設置が「放送法」によって解禁になります。ここから怒濤のように民間ラジオ局が開局していきます。

 

民間放送局第1号は1951年愛知の現CBCラジオ(中部日本放送)。また、同日の昼には大阪のMBSラジオ(毎日放送)も開局。FM放送がはじまったのはAM放送から遅れること18年。1969年のことでした。何とこちらも日本初は愛知の放送局。12月24日に日本の民間放送で初のFM放送局として「愛知音楽放送(現在FM愛知)」が開局しました。


ラジオパーソナリティの魅力

  • 伝えることへのやりがいを感じられること。

番組のパーソナリティ自身が好きなものを紹介することができます。番組が伝えたことが世間に広まるのは、マイクの前でしゃべっているパーソナリティにとって非常に幸せなことなのです。

  • リスナーとの距離が近い

ラジオは、テレビに比べて伝える側と受ける側の距離が近いメディアでリスナーの生活に密着しています。そのため、リスナーは番組やパーソナリティに親近感を感じ、パーソナリティをまるで友達のように思うことができるのです。その分、パーソナリティはリスナーが思っていることや番組へのリアクションを瞬時に知ることができるのです。自分が話したことを、リスナーはどんな風に考えているのかを知ることは、パーソナリティとしての能力を上げるきっかけにもなります。

  • 人の記憶に残る仕事

ラジオパーソナリティの最大の魅力ととも言えるのは、いつまでもリスナーの心に残っている仕事だということでしょう。ラジオは、テレビに比べると制作費も少なく規模も小さなメディアです。しかしながら、人々の記憶に残る仕事ができるという点では、ほかのメディアにも負けていません。パーソナリティが話した一言が、リスナーを勇気づけることもあるのです。

 

ラジオの魅力とは、1対1のメディアであること