一焼入魂

リングプランナーとしての活動をしながら、現在は緋銅の活動もしております。

きっかけは、現在のパートナーの職人とのコラボ企画です。

緋銅は、2015年7月頃から独学で取り組みました。彫金ではこの緋銅は学ぶそうですが、その具体的なやり方は書物などありません。

そのため、インターネットで必要な情報を集めました。

オーダーでの依頼

今回、男性用のタイニーピンを緋銅で作ります。

金具にはシルバーを使用します。

まず、最初は銅を切り出し、依頼のデザインをやすりで丁寧にイメージ通りに削り出していきます。

一削一削、確実にやすりを動かします。

依頼者の方に喜んでもらえるように。

プレゼントされた方が喜んでもらえるように。

一削入魂していきます。

手作り指輪も同じですが、削っている間はこれを待っている人のことを考えます。そして、作品にも自分の想いが込めらていきます。


デザインに配慮した金具作成

タイニーピンの針立てに合わせて、シルバーの裏板を組み合わせる作業があります。

ただ、同じ形にそろえるだけではなく、穴を開けて四隅に凹凸を作ります。こうすることで、金具が外れることはなくなります。

長く愛用して頂けるようにデザインに配慮した金具作成をします。


この作業は、ロウ付けの技術が必要になります。

ここは職人ガッキーに託します。

これが終わるといよいよ緋銅の作業となります。


本番前

『もし、失敗なら作り直し』

緋色は、銅が本来持っている色です。

それを引き出すには、銅を溶ける寸前まで熱しなければならないのです。

だからといって、タイミングが早ければ緋色にはなりません。

タイミングが遅ければ溶けて作品になりません。

前者の場合には、磨き直し(バフ磨き)から再スタートができます。

でも次も失敗すると条件が厳しくなります。

一回で成功させることがベストなのです。


成功のカギは自信です。

これまで幾度と失敗を積み重ねてきました。

少しでも気持ちに隙があれば、最高級の緋色はできません。

これまでの成功条件を信じることです。

そして、目の前の銅としっかりと向き合うことに集中することです。


緋銅の作業時間は約20秒です。

『一焼入魂』

成功しました!

最高ランクの緋色になりました!!
色ムラもない均一な緋色です!!

これまでの重圧から解放されました!!
自分の最後の大仕事を最高の形で締めくくることができました!!


手作り指輪やオーダーに共通する事

大切な人に贈るため

大切な人に喜んでもらうため

自分の想いを伝えるため

それに相応しい大切なものとして、手作り指輪やオーダーを選んでくれていること。

だから、これに関われることは本当に嬉しいことで名誉なことだし、感謝しかない。

毎回、関わるときに誓っていることがあります。

それは相手の想いに負けないこと。

ここでいう想いとは熱量(エネルギー)のこと。

想いとは創造力のこと。

想いとは創作力のこと。

自信がなかったとしても、想いまで無くしてはいけない。

常に、誰に対しても想いの熱量をもって、相手と向き合い取り組むことが大切なのです。