コイン硬貨をリングにする

日本の硬貨は禁止

コイン硬貨をリングにしようと思ったのは、pinterestの海外写真でした。コインに穴を開けて、叩いて指輪にする工程が紹介されていて、興味を持ちました。さっそく、職人にこの話をすると、「それ違法ですよ。」

日本では、貨幣損傷等取締法(昭和22年12月4日法律第148号)によって、貨幣を損傷または鋳潰すことを禁じた日本の法律がありました。ですから、1円、5円、10円、50円、100円、500円を国内で加工することはできません。そこで、海外のコイン通貨を使い、リング作りに挑戦します。


アメリカ通貨でリングを作る

最初に挑戦したのが、アメリカの1セント硬貨。セント硬貨の金属構成は1982年に額面に含まれる銅の価格が1セントを超える位置まで上昇し始めたため変更され、現在、硬貨には97.5%の亜鉛が使用され、2.5%の銅が表面メッキで使われています。



最初に素材を調べずに加工開始。表面の色から銅だと思い込んでいましたが…削り出すとシルバーの色合いのカスがでてきます。焼きなましをした後に、叩く作業でハプニング。ひび割れが起きていまいました。さらに、焼きなましをすると、今度は溶けだしました。1セントはリングに加工することは不向きのようです。スーベニアメダルのような火を使わない加工や、穴を開けてペンダントトップの加工などはできそうです。今回のリング制作方法には適さない結果となりました。


アメリカのQuarter Doller

続いは、25セント。現在はクラッドメタルという張り合わせ合金で製造され、白銅(銅91.67%、ニッケル8.33%)が使われ、縁にギザギザの溝を持つ。1965年以前のクォーター硬貨は、90パーセントの銀と10パーセントの銅の合金により製造されています。



中心に穴をあけます。次に焼きなましをしてから、丸ぼうずを使い、くぼみをつくっていきます。



ここからの作業は、焼きなましと叩くことを繰り返します。芯金サイズ棒を使い全体的に叩いて平にしていきます。この時、表面の模様が消えないように木槌を使います。何度も何度も繰り返します。



作業時間4時間(内1時間は1セント硬貨の作業)で本日は時間切れで終了。ここから側面を整え全体を磨いていきます。まだ、完成ではありません。



【課題】

このリングのサイズは9号でした。完成したら自分が身につけようと考えていたのですが、どの指にも小さくて入りません(笑)。最初の中心の切り出し(写真左上)の大きさで決まるとすれば、その相関性を理解する必要があります。



軽く表面を磨き、綺麗にしてみました。