刀剣美術館

The Japanese Sword Museumに初めて行ってきました。本当の目的は、結婚指輪の納品です。待合せ場所に早く到着したので、街を散策中に、刀剣美術館を発見、平日のPM3:30を過ぎていて、閉館まで1時間もありませんでしたが折角の機会なので見学する事にしました。いざ、館内で見学していたのは全員外国人という状況に驚きでした。

幕末金工の美が同時開催中

飾ってあるのはもちろん、名刀の刀剣です。同時に幕末金工、刀装・刀装具が展示されていました。刀剣についての知識は全くありません。何が素晴らしくて、何が魅力的なのかはわかりません。最初はほとんど、先入観なしで感性で見学しました。


この刀剣博物館は、昭和43年に公益財団法人日本美術刀剣保存協会の付属施設として開館しました。目的は、日本刀文化の普及です。それもあり、博物館のまわりには、刀剣を扱う専門店もありました。展示物の撮影は禁止です。

国宝の太刀を見る事ができます

刀剣類、刀装、刀装具、甲冑、金工資料、古書等の中には、国宝、重要文化財、重要美術品など、国の指定・認定物も数多く展示されていました。それだけに、ひとつひとつの展示の手段はもう少し検討した方が良いなと…個人的には残念な部分もあり、素直な感想です。


日本刀は、日本の伝統工芸です。武器としては「折れず、曲がらず、よく切れる」という性能を評価されているだけでなく、姿・地鉄・刃文などの美しさから美術品としても世界から高く評価されるようになりました。日本刀の材料は「玉鋼」です。日本刀は心鉄(しんがね)と皮鉄(かわがね)の2種類の鉄を使います。和鉄を何度も繰り返し鍛錬して作ります。


「折れず、曲がらず」という日本刀の特性はこの2種類の鉄にあります。さらに、刃の部分に土を置いてから焼き入れすることで刃文ができます。


刀剣の完成にはそれぞれの職人が分業している

「鞘師」・「塗師」・「柄巻師」・「金具師」・「白銀師」など、各パーツは多くの職人により作り上げられます。それらを1つに結集して刀装ができるのです。現代では、まさに美術工芸品として愛されています。


日本刀は戦闘方法や時代背景によって長さや幅、反りが変化しています。また、同じ刀工が作った刀でも微妙に違いがあります。全く同じ刀はないのです。それが刀剣の魅力でもあるとこの展示品を見て感じました。


刀剣博物館

東京都渋谷区代々木4-25-10

TEL:03-3379-1386

開館時間:午前10時〜午後4時30分

休館日:月曜日

入館料:一般600円、会員・学生300円、中学生以下無料

HP:http://www.touken.or.jp

アクセス:小田急線 参宮橋駅より徒歩約7分


刀のことわざ

  • 急場凌ぎ(きゅうばしのぎ)

一時の間に合わせで、なんとかその場を切り抜ける事。「急刃」とは、戦場において刀の刃が欠けた時、粗砥(砥石の堅い物)やそれも無い場合、そこらの石で擦った即席に刃を付けた物の事です。

  • 鎬を削る(しのぎをけずる)

刀の鎬(しのぎ…刃と棟の間にある稜線)が激しくぶつかり、削れるほどの激戦のこと。

  • 押取り刀(おっとりがたな)

急な事で刀を腰に差す間もなく、手にとること。大急ぎのこと。「~で駆けつける」の様に使います。

  • 切羽つまる

切羽は刀の鍔がガタガタしないよう押さえる金具です。このことから身動き出来ないほど追いつめられた事を言います。

  • 鍔ぜり合い(つばぜりあい)

互いに打ち込んだ刀を鍔で受けとめたまま、一歩も譲らず押し合う事から、力の拮抗した激戦の事を言います。

  • 反りが合わない(そりがあわない)

刀はそれぞれ反りが違い、鞘もその刀用です。他の鞘に入れようとしても入りません。これは刀の反り具合と鞘の反り具合が違うからで、「反りが合わない」と言い、この事から相性が合わない事を言います。

  • もとの鞘に収まる(もとのさやにおさまる)

 刀は他の鞘になかなか入らないのですが、もとの鞘にはスンナリ入ります。この事から、仲違いした者どうしが元通りいっしょになる事を言います。

  • 鞘当て

昔、武士同士がすれ違ったとき、お互いの鞘がぶつかったと言い合って喧嘩となることがありました。この事から些細なことで喧嘩をうることを言います。

  • 焼きを入れる

刀は刃を付けるため火に入れて、焼き刃を付けます。これをしないと刀の形をした鉄の棒です。この事から「気合いを入れる」事を言います。

  • 付け焼き刃

刃の無くなった刀や鈍刀に、焼き刃だけを付け足したことから間に合わせに習い覚える事を言います。

  • 地金が出る

刀は芯金と言う軟らかい鉄を、皮金と言う硬い鉄が包み込む構造になっています。何度も研ぎを繰り返し、研ぎ減ってしまい芯金がでてしまった事をいい、この事から表を取り繕っていたものが取れ、本性が出てしまった事を言います。

  • 伝家の宝刀

家宝として代々伝わってきた名刀と言う事から、ふだんは使わないがいよいよと言う時に出してくる、とっておきの物、手段の事を言います。

  • 折り紙つき

昔、刀の鑑定をおこなっていた本阿弥家が正真のものに発行した鑑定書のことで、この事から間違えの無い物、人物のことを言います。

  • 目貫通り(めぬきどおり)

目貫は刀の柄、真ん中近くの一番目立つ所にある金具で、この事から町で一番にぎやかな通りの事を言います。

  • 懐刀

刀とは別に懐に入れてある最終護身用短刀で、この事から、秘密の計画などに参画する側近のことを言います。

  • 抜き打ち

刀を抜いたとたんに切りつける事で、この事からまえぶれも無く、いきなりなにかをする事を言います。

  • 単刀直入

単刀、一振りの刀(一人)で敵陣に切り込む事、この事から前置きなど無く、直接本題に入ることを言います。