修理にもこだわりがある

ネックレスの修理でも多い、チェーンが切れてしまったという事例。

最近では、金具部分の丸環にはロウ付けをしないことで、引っぱられた時の圧力をここで吸収されるようになっています。

つまり、切れたときにはチェーン部分ではなく、この丸環が壊れるという仕組みです。

この方が、丸環の交換だけで済むので、修理内容も修理代も軽くなります。

ただ、丸環をロウ付けしているネックレスもあります。

修理は職人によって異なる


「修理」と一概に言っても、そのやり方は職人によって異なるのです。今回はベネチアンチェーンの修理を例にとってその違いを説明したいと思います。

まず最初に、今回の修理を受ける前に、同様にチェーンが切れてしまったため修理した箇所をご紹介します。実物ではとても見づらいため、絵を描きました。これはパーツとパーツの間に金属を足しています。

 

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ただ、ここで気になるのが、横から見ると真っすぐではなく金属が斜めにずれていて、段差ができていて、見た目におかしいのです。パッと見は曲がっているように見えます。

レーザー溶接ではなく、職人の手による溶接


今回の修理はこのようになりました。また、こちらも見づらいため、絵を描きました。

 

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パッと見てもどこを修理したのかわかりません。さらに、ロウ付けされているのは、1コマ分です。修理を依頼するときに、職人からは細いので、もしかしたら2コマにもなるかもしれないとは言われていましたが、さすがです。

同じ言葉、表現でもこだわりがあれば全く違うもの


目的は、切れた部分が繋がれば達成されます。ただ、どのように修理するのか。そのこだわりによって、同じ目的を達成したとしても全く違う結果になるのです。