宝石の「強さ」を表す指標の話

ダイヤモンドは、地球上の物質の中で最も硬く、ダイヤモンド同士でなければ磨いたり、削ったりする加工は出来ません。ダイヤモンドは地球上の天然の物質では一番硬いといわれていますが、実は割れます。

では、ダイヤモンドが一番強い宝石と信じてもいいのでしょうか?

  • 「強さ」を表す指標にはいくつかの種類がある

実は、宝石の強さを示す指標には種類があることをご存知でしょうか?

  • モース硬度
  • ヌープ硬度
  • 靱性

まずは、ダイヤモンドが一番硬いといわれている理由に挙げられる『モース硬度』や『ヌープ硬度』について説明します。

モース硬度というのは、「摩擦やひっかき傷に対する強さ」を表すもので、ダイヤモンドは最高の数値“10”です。ダイヤモンドの次に硬い宝石はコランダムで“9”です。

また、ヌープ硬度とは、「押し込む力による耐性」を表すものですが、このヌープ硬度も7000-8500の高い数値を示しています。先程のコランダムは1600-2000ですから、ダイヤモンドの数値だけ飛び抜けて高いことがわかります。

 

ここまでは、ダイヤモンドが一番強い宝石と信じて間違いありません。

しかし、硬度を表す指標には、靱性(じんせい)というものがあります。

靱性とは、「欠けや割れに対する耐久性」を表すものですが、ダイヤモンドは“7.5”です。これは水晶やアクアマリンと同じ数値で、先程のコランダムは“8”です。さらに翡翠も“8”です。

 

また、ダイヤモンドには劈開性(へきかいせい)という性質があります。劈開性とは、「ある一定方向に割れやすい性質」のことで、特に内部に内包物や亀裂などがある場合、そこに強い力が加わると割れてしまうこともあります。

  • ダイヤモンドの透明性を「純粋」、最も硬い宝石は「固い絆」を表す。

婚約指輪にダイヤモンドを贈る意味のひとつとして聞いたことのある方は多いのではないでしょうか?

確かに実際、日常生活の中でダイヤモンドが割れたという話は稀です。しかし、それはモース硬度やヌープ硬度での数値であり、「最も硬い=絶対に割れない」と思い込ませるのは正しくありません。

  • ダイヤモンドの輝きは美しい

宝石や、婚約指輪の歴史を見ても世界中の人々を魅了したダイヤモンド。クレオパトラが愛したエメラルドやイギリス王室のサファイア。それ以上に様々な歴史上の人物の物語にでてくるダイヤモンドは、これからも永遠に愛されることでしょう。